鹿港ってどんなところ?
「鹿の港」というユニークな地名の鹿港は、台湾中部の彰化平野に位置します。東は秀水郷に、西は台湾海峡に隣接 しており、総面積約40平方km、人口約85,000人の小さな町です。
清乾隆期(1785〜1845年)の頃には中国福建と交易する港町として栄え、中国泉州からの移民も多く、当時人口は10万人ほどに膨れあがります。「一 府、二鹿、三孟甲」
(一に台南の安平、二に鹿港、三に台北の萬華)と称されるほどの繁栄振りで、その後150年ほど続く黄金時代を迎えました。台南の安平に続く台湾第二の都市として台湾文化史の「鹿港期」を築き上げますが、泉州からの移民が多かったことから、建築様式や街の構造などにその影響が見られ、「小泉州」と呼ばれることもありました。

日本統治時代にも引き続き中国との貿易港として活躍しましたが、日中戦争後は中国との貿易が絶たれ、港は閉鎖状態に陥ってしまいます。また、天然の港に土砂が積もり浅くなってしまったことや、縦貫線鉄道が西側の彰化に設置されたことも失速の原因とされています。鉄道の敷設については、当時の鹿港の有力 者が風水のバランスを乱すということで、拒否したとも言われています。
時代に取り残され、商業地としての勢いを失った鹿港ですが、この急速な没落のおかげで、レンガ造りの建物が並ぶ小道や100年以上続く伝統文化などが今に残り、古の都として多くの人々を惹きつけています。
※「孟甲」の字にはどちらも舟がつきます。