韋宗成インタビュー

韋宗成(ウェイ ゾォンチェン)
1982年1月23日、新竹生まれ。幼い頃から絵を描くのが好きで大学1年生でプロの漫画家としてデビュー。2007年に台湾で最も歴史ある漫画の賞である國家教育研究院優良漫畫獎で第三位を受賞。2009年には台湾の政治をモチーフにした「馬皇降臨(未來數位)」で注目を浴びる。2013年3月現在は媽祖をヒロインとした「冥戰錄(未來數位)」を出版中。
──趣味や好きなこと、マイブームについて教えてください。
趣味はやはり漫画を描くことと映画やドラマを見ることです。最近、台湾では中国のドラマがブームになっていてそれを見ることもあります。日本の映画やアニメだと「千と千尋の神隠し」や「魔法少女まどか☆マギカ」を見ました。
──漫画を描くようになったきっかけは何ですか?
小学校5~6年生の頃からイラストを描くのが好きでした。工事現場や広告などいろいろな仕事を体験していく中でプロの漫画家になろうと決めました。
──漫画家になって一番うれしかったことはなんですか?
好きなことができるようになったことですね。マイホームの購入ができたのもうれしいことです。台湾で漫画を描いて生活するのは日本以上に大変だと思います。
──漫画、映画、小説で影響を受けた作品はありますか?
実は漫画より映画を見ることが好きなんです。最近は人気のある漫画をパラパラみるぐらい。うーん、漫画だと子供の頃に読んだ「ドラえもん」に影響を受けていると思います。大きくなってからは「火の鳥」が良かったですね。特に鳳凰編が好きで、宗教や神について描かれているのが興味深くて惹かれるところです。
「AV端指」に登場するS・セガール
「AV端指」に登場するS・セガール
好きな映画は「ゴッドファーザー」「ターミネーターシリーズ」「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」など1980年代の映画です。スティーブン・セガールやジャッキー・チェンも好きで「AV端指」に登場させたりしています。
小説は歴史の本が好きで、中国の古い歴史の本である「柏楊版資治通鑑」を読んでます。軍隊に行っている時にその話をすると、上司に「すごいな」と誉められたことがありましたよ。
──代表作でもある「馬皇降臨」について教えてください。
元・中華民国総統であるあの人も登場します
元・中華民国総統であるあの人も登場します
「馬皇降臨」は馬英九と陳水扁と台湾の選挙をモチーフとして、格闘漫画のような演出を行った作品です。この作品では台湾の政治で一番偉い人を描いています。出版した当時の台湾の政治家がほとんど登場していますよ。
──なぜ政治漫画を描こうと思ったのですか?
台湾で新聞やニュースを見ていると政治のニュースが毎日必ず流れます。台湾人は政治に熱心なので、誰に聞いても共通の話題になるからですね。
──登場人物のモデルにした人から何か連絡がありましたか?
うーん、今のところないですね。この作品ではないのですが、ファンが「五都爭霸(台湾の選挙をテーマにした作品)」の表紙を持って登場人物のモデルとなった人のところを訪れてサインをもらっていました。印象的な出来事でしたよ。
そして「馬皇降臨」の発売日は国民党の党首選挙日だったんです。馬英九が勝利して、この本のタイトルがTVニュースで使われたのが印象的でした。
──この漫画を描くときに最も苦労したことは何でしょうか?
仕事が終わってから描いていたので時間がなかったことですね。当時は仕事をしながら漫画を描いていましたが、今は漫画だけのプロになっています。
──ラストがとても印象的でした。
現実になると困りますね。
──続いて現在連載している「冥戦錄」について教えてください。
「冥戦錄」のヒロイン林黙娘
「冥戦錄」のヒロイン林黙娘
「冥戦錄」は媽祖をヒロインとした冒険活劇です。媽祖は台湾で有名な海の神様で、神様をヒロインにしているので、単行本を出版したら必ずお寺にお参りに行くようにしています。ちなみに媽祖をアダルト作品に出した人には天罰が当たるようで、不幸が起こった話をよく聞きます・・・。
──台湾の漫画についてコメントをください。
台湾の漫画雑誌は月刊誌が中心です。漫画だけで生活するのはとても大変なので、私もPVなどを作って盛り上げていくようにしています。漫画を描く人は増えてきていますが、1冊だけ描いて終わる人が多いのが少し残念です。
──漫画を描くのに使っている道具は何ですか?
SAIとComicStudioを使っています。
──日本の漫画家は〆切に追われていて常に徹夜のイメージがあるのですが、台湾の漫画家はどうなのでしょうか?
台湾でも徹夜する漫画家が多いですね。私は健康に気をつけているので午前2:00には必ず寝るようにしています。日本の水木しげる先生のように長生きして多くの漫画を描きたいですね。
──今後描いてみたいテーマや抱負を教えてください。
一番重要なのは現在連載している「冥戦録」の続きを描くことです。他には、まだテーマは決まっていませんが短編を1冊出したいです。描いてみたいテーマは自分の経験も活かして伝統的な當兵(兵役)について描くか、蒋介石についても描いてみたいですね。
──最後に一言お願いします
えー、インターネットで私の名前を検索すると睫毛先生との衝撃的な写真やイラストが出てくるのですが、ファンが作っただけで、二人の関係は普通なので気にしないでください。ホントに。・・・台湾には漫画のテーマにもなる多くの素敵なものがあります。ただ、この台湾独自の素材を使って漫画を描いている人は少ないので、もっと台湾オリジナルの漫画が生まれるとうれしいですね。
インタビューで取り上げた本はこちら馬皇降臨AV端指冥戰錄 第五卷
 

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