七星山は標高1,120mと台北市で最も高い山です。陽明山国家公園にある火山の一つでもあり日本の富士山と同じ円錐形をした成層火山に分類されます。およそ70万年前に活発な噴火活動が行われていて山頂付近にはカルデラがありました。カルデラは長い年月を経て浸食されて、現在では大小7つのピークになっています。それが北斗七星を連想させるために七星山と名付けられました。
七星山には小油坑、冷水坑、苗圃を起点とする3つの登山道があります。今回は最も標高差も少なく距離も短い小油坑から登ってみました。この登山道では1時間ほどで山頂に登ることができ、本格的な登山装備でなくても登山が可能です。登山に向く季節は天候の安定した4~5月と9~10月。夏場はスコールや雷が発生することがあるので注意が必要です。
小油坑の上あたりは急な斜面になっていて階段の隙間から蒸気が噴出しています。硫黄の香りが漂うワイルドな道で、足場が不安定なこともあり注意して進んでください。ここを越えると周辺の山々や台北市が見渡せるようになってきます。登山道には別のピークにある展望台にも続く道もあり、景色を眺めながらゆっくり楽しむことができます。登山道を歩いていると陽明山を代表する野生動物の竹雞(タイワンコジュケイ:小型のキジ)を目にすることがあるかもしれませんよ。