嘉義の市街地から車を走らせ「梅山太平36彎雲之道」と呼ばれる山道を過ぎると、平坦な盆地エリアに入ります。ここが嘉義縣梅山鄉的太平村です。気候が穏やかで心地良く、大自然に囲まれたこの太平村に2017年9月「太平雲梯」が正式オープンしました。
観光クオリティを維持するため、「太平雲梯」の観光はWebサイトからの予約制となっており、チケットは大人1人100元、30分ごとに100人1グループで出発する橋の見学ガイドツアーがあります。申込者は指定時間までに「太平雲梯遊客中心(太平雲梯ツーリストセンター)」に集合し、ガイドスタッフと一緒に太平雲梯へ出発します。周辺のスポットやこの辺りの歴史なども紹介してくれます。
「太平雲梯」は、太平山エリアと亀山エリアを跨ぐように架けられており、視界は素晴らしく、嘉南平原からその向こうの台湾海峡までを見渡せます。青空の下、夕焼け、雲海など、どんな天気や時間帯でも自然の雄大さを感じることができ、霧の中に包まれ、辺りに何も見えない姿さえ圧巻です。
阿里山國家風景區管理處(阿里山国家風景区管理所)によると、「太平雲梯」は、全台湾で最も海抜の高いところに架けられた最長の吊り橋で、台北101ビルに使用されているものと同様の高強度鋼材を支柱に使用し、震度7規模の地震にも耐えられるように設計されています。橋の下にはダクトがあり、西から吹く強風を分散させ、レベル16と呼ばれる強風にも耐えられるようになっています。
橋へ続く広場には「太平景象,緣起不滅,細水長流(太平の景色は縁が絶えることなく、細く長く流れる)」という詩が刻まれ、山に沿って作られた階段は橋へと続いており、階段脇には今後、休憩スペースやイベント広場を設ける予定です。取材当日の天気は濃霧でしたが、暑い夏の日とは思えないほどの涼しさでした。橋の上で濃い霧に包まれた感覚は、中国の有名な詩「長恨歌」の「上窮碧落下黃泉,兩處茫茫皆不見(天も地獄も見えない)」を肌で感じたようでした。
ゆっくりと橋の上を歩き、不意に振り返ると濃い霧の中で周りの人の姿を見失うほどです。台湾海峡から吹く強い風が湿気を運び、体全体が濡れてしまいますが、足元に広がる三原彩虹瀑布の滝の音だけが響き渡ります。霧の中で雨と滝の音に耳を澄ませると、まるでこの世界に自分自身だけが存在しているような感覚になります。
冷たい風が吹き、サッと霧を取り除いていけば、突然山の頭を垣間見ることができ、足元の滝も姿を現します。「太平雲梯」は私たちを絶景の景色の中に引き込んでくれ、まるで自分たちがこの景色の一部になったかのような感覚を与えてくれる場所です。皆さんもちょっと足を伸ばして、ぜひ訪れてみませんか。
(記者:Hana H.)
【太平雲梯】
住所:嘉義縣梅山鄉太平村下坑5號
電話:05-257-1215
営業時間:月曜日~金曜日09:00-16:30 / 土曜日・日曜日09:00-17:30
定休日:水曜日
交通:台湾高速鉄道嘉義駅よりタクシーで約1時間
URL:https://www.taipingbridge.tw/