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2008年8月13日

台湾シネマ・コレクション2008 『練習曲』特別試写会


※台北日和の記事は遡及調査をしていないので、現状と異なることがあります。
監督&イーストン
舞台挨拶のひとコマ
台北で監督たちが勢ぞろい

 最近の台湾映画ってぱっとしないよね…なんて思っている人ほどおススメなのが、8月23日より都内ではじまる「台湾シネマ・コレクション2008」。そこでも上映される大ヒット作『練習曲』の特別試写会が開催されました。

 『悲情城市』のホウ・シャオシェン(侯孝賢)、『恋人たちの食卓』のアン・リー(李安)、『牯嶺街少年殺人事件』の故エドワード・ヤン(楊徳昌)たちが、名作を続々と生み出したのが1980~90年代前半。この時期の秀作は後に“台湾ニューシネマ”と呼ばれ、台湾映画のクオリティの高さを世界に知らしめました。その後、監督たちが海外に活動の場を移すようになり勢いは鈍りましたが、ここ数年、“台湾ニューシネマ”の洗礼を受けた若手の作品が次々と発表され、かつてのパワーが戻ってきているのです。

『Tattoo‐刺青』 シネマート六本木は、タイやインド、韓国映画の特集、小粒ながら隠れた名作や、真摯なドキュメンタリーなど、ユニークなラインナップが評判を呼んでいるミニシネコンです。そんな映画館のスタッフが「いまどきの台湾映画を見てほしい!」と、企画をしたのが今回の「台湾シネマ・コレクション2008」。“台湾映画のソコヂカラ、魅せます”/<若い才能>が活躍する台湾映画最新ベスト作品”として、2006年~2007年に制作された8本をセレクト。ベルリン国際映画祭でテディ賞を受賞したレイニー・ヤン主演の『Tattoo‐刺青』、ベネチア国際映画祭批評家週間最優秀作品賞を受賞した『遠い道のり』など、そうそうたる作品がそろいます。

『練習曲』 中でも注目したいのは、2007年度ナンバーワン・ヒットの『練習曲』。『悲情城市』の撮影を担当した実力派のチェン・ホァイエン(陳懷恩)監督が、聴覚障害を抱える青年イーストン・ドン(東明相)が自転車で台湾を一周する姿を淡々と撮っていく作品で、地味な映画という印象を受けるかもしれませんが、とんでもない。台湾東部のコバルトの海岸線や、桃園空港近くの発電所で弁当をくれたおばちゃんたち、300kmを歩くという彰化の大甲媽祖巡業の信者の群れなど、鉄道や車ではない、自転車でしか入り込むことができない細い道の先にある風景や、人々との触れ合いが旅人の視点で描かれ、次第にぐいぐいと映画の中に引きずり込まれ、自分も一緒に旅をしている気分になる力を持つ映画なのです。主人公のイーストンは実際に聞くこと、しゃべることが不自由であり、その点が言葉の面からどうしても“見ること”が主体となってしまう外国人旅行者の立場と重なり、より映像がリアルに心に迫ってくるように感じられるのでしょう。

 この映画は2007年の台湾映画の興行収益1位を記録し “台湾自転車一周ブーム”をもたらしたのだとか。7月末には監督、イーストンを迎えての特別試写会が開催されたのですが、その席でイーストンは、ロケを通じて悲観的な性格がなおり、目の前に大きな空が広がったような達成感を得たと告白。監督もともすれば技巧をこらしそうになるところを、誠実で素朴なイーストンのおかげで、落ち着いた明るさを持つ映画に仕上げることができたと語ってくれました。

 「台湾シネマ・コレクション2008」は8月23日からスタート。台湾でも監督たちが集まっての記者会見が開かれたそうですよ。台湾の若い才能に、スクリーンで魅せられましょう!

【台湾シネマ・コレクション2008】
開催期間:2008年8月23日~9月26日
会場:シネマート六本木
住所:東京都港区六本木3-8-15
電話:03-5413-7711
交通:大江戸線、日比谷線「六本木」から徒歩3分
公式サイト:http://www.cinemart.co.jp/taiwan2008/
特別試写会は7月28日に当館で開催されました。

※お盆休みのため、次回の台北日和は19日に掲載予定です。