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台北日和 2005年7月7日
台大醫院舊館

※台北日和の記事は遡及調査をしていないので、現状と異なることがあります。

 総統府や土地銀行(旧日本勧業銀行台北支店)など、古きよき時代に建設されたクラシック建築が多い中正エリアは、建築好きにはたまらない場所です。並み居るクラシック建築の中でも、はっと目をひくのがこちら台大醫院舊館。


  赤レンガに優雅な半円アーチを多用した窓、高台になったエントランスに、大きな正面バルコニーと、端正でありながら華麗な後期ルネッサンス様式の特徴が随所にみてとれる台大醫院舊館は、レトロ建築好きに人気の建物です。優美でありながら、台湾大学医学院付属医院としての威厳と風格をも感じさせるこの建物は、12年もの歳月を費やして1924年に建設された日本統治時代の遺産でもあるのです。
 台大醫院舊館の前身は、1897年に設立された木造の「台北醫院」。医療技術の発展と設備の進歩とともに、当時最先端の設備を備えた病院にすべく台湾総督府の主導のもと、「台北帝國大学醫学部付属醫院」として、大規模な改装工事が始まったのが1912年のことでした。設計を担当したのは、紅樓劇場や、台北當代藝術館なども手がけた近藤十郎氏です。シンメトリーに作られた建築物の上部には、中央塔をはさみ左右に3階建ての衛塔がそびえています。こちらの衛塔の窓は、1階はスクエア、2階はスクエアと丸窓、3階はアーチ型の窓と、すべて異なる装飾という凝りよう。

 蟻よけと水よけも兼ねて高台に作られたエントランス前の車寄せ部分は、上部がちょうど広いバルコニーになっており、優雅さをかもし出しています。エントランスを入ってすぐの吹き抜けのホールは、緩やかなカーブが美しい天井が印象的。そこから降り注ぐ柔らかい光が、床のタイルや、天井の格子模様の装飾を美しく引き立たせてくれます。2階の高さに取り付けてあるペアのレトロなライトも、建設当時のままだそう。今でも大切に使われているのですね。この開放感あふれるホールからは、四方に続く廊下が伸びています。このゴージャスな作りは、病院というより高級ホテルにきたような錯覚さえ覚えてしまうかも。

 戦後、「台湾大学医学院附設医院」と名を改め、1991年には東側に新館が建設された後も、この重厚感あふれる建物は今も変わらず、外来問診部として台北市民の健康を預かっています。こんな立派な病院だったら、来ただけで治ってしまうかも、なんて思わせる風格あふれるクラシック建築をぜひ一度見てみてくださいね。

【台大醫院舊館】
住所:台北市常徳街1號
電話:(02)2312-3456
交通:MRT台大醫院駅2番出口から徒歩約1分
HP:https://ntuh.mc.ntu.edu.tw/

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