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台北日和 2005年5月9日
土地銀行(旧日本勧業銀行 台北支店)

※台北日和の記事は遡及調査をしていないので、現状と異なることがあります。

 台北駅の周辺には戦前に建てられたクラシックな建物が、今でも現役でがんばっています。中でもこちらの土地銀行は、ギリシャ式の立派な円柱とマヤ文明の影響を受けたといわれるエキゾチックな彫刻が特徴。また、知る人ぞ知る名物スイーツもあるのです。

 台湾の古い建物、と聞くと、龍山寺に代表される中国様式の華やかなものを連想しがちですが、戦前に建てられたクラシックな石造りの建物も、意外と多く残っているのです。台北市でそれらの建物が集中しているのが、迪化街と、台北駅前。迪化街には商店や個人宅など、小、中型の建物が多いのに対し、政治、金融の中心だった台北駅前にあるのは当時の政府や企業による大型の建物。台北郵局台湾総督府交通局鉄道部など、まだまだ現役として大切に使われているのがうれしいですよね。

 その中でも、威風堂々とした姿を誇るのが二二八和平公園の隣にある土地銀行です。あまりにも大きいため、回廊の下を歩いても建物そのものの大きさや、装飾には気づかなかったりするのですが、戦前に建てられた銀行としてはその規模はピカイチ。戦前は日本勧業銀行の台北支店として使われていたのですが、当時の勧業銀行は半官半民の組織で、台湾の農漁業の推進という大きな使命を担っていました。建物にもその重責に相応しい荘厳さを感じます。

 この銀行の装飾でおもしろいのは、正面に掲げられたS字型の文様や、ライオンの彫刻などに、南米のマヤ文明の影響が見られることです。残念ながらこの建物に関しては竣工が1933年(昭和8年)と伝えられているだけで、設計者や施行会社に関する資料は失われてしまいました。そのため、なぜ台湾でマヤ文明・・という謎だけが残っているのですが、設計者は南洋らしい、エキゾチックな雰囲気を演出したかったのかもしれません。

 一般開放はされていないため、内部の見学はできないのですが、それを慰めてくれるのが銀行特製のアイスクリームです。襄陽路側の隣接するオフィスで販売されている「初鹿鮮乳冰淇淋(28元)」は、銀行が所有する牧場で搾乳されたフレッシュミルクのアイスクリームで、濃厚なことこの上なし!銀行の見学が終わったら、アイスを買って二二八公園で休憩・・なんていいかもしれませんね。

 このアイスが販売されているオフィスビルも歴史的に価値のある建物なのですが、説明はまた次回に!

【土地銀行(旧第一勧業銀行 台北支店)】
住所:台北市中正区台北市館前路46號
交通:MRT「台北駅」「台大醫院駅」から徒歩5分

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