2004年3月23日
高雄 山形屋カフェ

※台北日和の記事は遡及調査をしていないので、現状と異なることがあります。

 巨大な貨物船が行きかう港を臨む、高雄の南鼓山エリア。ひっそりと静まりかえる住宅街の中に、「山形屋」の看板を掲げた赤レンガの建物が。大正時代に建てられた書店を改造したカフェで、当時の最新流行の発信地だったそうですよ。

 鼓山区と言えば、先ず上げられるのが渡船場(フェリー乗り場)。対岸の旗津島へシーフードを食べに行く家族連れや、名物の巨大カキ氷を楽しむ学生たちでにぎわう渡船場ですが、そこから数分も歩くと、にぎわいとは無縁の静かな住宅地が広がっています。時折、通りかかる車を、昼寝中の犬が片目で眺めるような、そんなのんびりした街並みを見ると、戦前のこの地が、高雄を代表する繁華街であったとは信じられないかもしれません。

 日本統治時代、現在の南鼓山エリアは「哈瑪星(はません)」と呼ばれ、純和風のお屋敷や、西洋建築が建ち並ぶ一大繁華街でした。広い通りの左右には椰子の木が影を落とし、ぴかぴかに磨かれた最新式自動車が行きかっていたそう。高雄埠頭や鉄道の起点駅があったことから、交通の要所としても大勢の人々が訪れたそうですよ。外国からの人、モノ、そして文化の入り口の街として、モダンなお店にお洒落に着飾った人々が集う様子は、横浜にも劣らなかったと伝えられています。

 「山形屋」は当時の哈瑪星を代表するお店で、赤レンガの建物は1920年(大正9年)の竣工。本や文房具をはじめ小学校の教科書も扱い、在住の日本人で知らない人はもぐりと言われていたそう。後には印刷出版業も手がけ、「山形屋」が発行した台湾名所絵葉書は、日本へのお土産に大人気だったそうですよ。日本や欧米から届けられた、外国の空気をまとった書籍や、オシャレな文房具を目当てに大勢のインテリたちが集まり、当時の高雄を代表するカルチャースポットだったのだとか。

 現在ではカフェに改造されていますが、外見はほとんど当時のまま。内部もほとんど手を加えていないということで、コーヒーを飲みながら、50年前の高雄にタイムスリップした気分に浸ることができます。フェリー乗り場に向う途中に、ちょっと立ち寄ってみてくださいね。

【高雄 山形屋カフェ】
住所:高雄市鼓山区臨海3路14號
電話:(07)531-4147
※「山形屋カフェ」は閉店しました(2007/01/24)


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