2003年12月11日
善導寺

※台北日和の記事は遡及調査をしていないので、現状と異なることがあります。

 MRTの駅名にもなっている善導寺は、その黄金色に輝く華やかな外観から、道教のお寺と思う人も多いはず。しかし、実は台湾では珍しい日本の浄土真宗のお寺なのです。付属の仏教歴史芸術館には、1000年以上前の貴重な仏像や仏舎利が展示されていて、その充実ぶりは故宮にも負けないとか。

 日本が台湾を統治していた50年間、数多くの宗派のお寺が建立され、僧侶が布教のため海を渡っていました。しかし、道教などの民間信仰が強く、また言葉の通じない台湾での布教は苦労も多く、日本の仏教がこの地に根付くことは難しかったようです。それでも台北には東本願寺、西本願寺をはじめ10前後の大きなお寺が建立されましたが、現在でもその規模を維持し、活発に活動しているのは善導寺のみなのだそう。

 善導寺の建立は1929年。当時は余分な飾りをそぎ取ったシンプルな外見で、境内は荘厳な雰囲気に満ち溢れていたのだそうです。その後改築を重ね、1986年には9階建ての慈恩大樓が完成。内部には仏教歴史芸術館、図書館などが開設されました。所蔵品の中では宋(960〜1279)の時代に彫られた「宋代木刻觀音菩薩自在坐像」が白眉で、片ひざを立て、岩の上でゆったりとくつろぐ観音像は、木造とは思えないやわらかさをかもし出しています。すらりと伸びた細い指を折り曲げた姿からは、ほのかな色気が漂ってきて、1000年近くもの長い間、人々の信仰の対象であったことが納得できる美しさです。その貴重さゆえに、現在は国立故宮博物院に貸し出し中なのだとか。

 4世紀の北魏時代から近代に渡る仏像がずらりと並ぶ様は壮観で、時代による仏像の変遷を追うことができるようになっています。また、宗や明の時代に、中国の景コ窯や鈞窯といった名窯で焼かれた仏像は、宗教の域を超えた精緻な芸術品としてぜひ鑑賞していただきたいところ。またスリランカより贈られた仏舎利も見逃せません。

 道教系の華やかなお寺が多い台北で、ほっと一息つくのにお勧めのポイントです。

【善導寺】
住所:台北市忠孝東路1段23號
TEL:(02)2341-5758
開館時間:午前9時〜午後5時
休館日:月曜日
入場料:無料
交通:MRT「善導寺」すぐ


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