2003年12月9日
淡水 福佑宮

※台北日和の記事は遡及調査をしていないので、現状と異なることがあります。

 大勢の観光客やお店でにぎわう淡水の老街。その地で200年以上前から、淡水の発展を見守ってきたのが福佑宮。三級古跡にも指定されている、淡水最古のお寺です。もっとも街の発展に連れて、お寺はどんどん肩身が狭くなっていったようですが・・?

 外国からの貿易船や、移民が最初に降り立つ地、淡水。淡水河河口には早くから人々が住み着き、18世紀末には街としての体裁が整ってきました。その中心となっていたのが福佑宮です。ヨーロッパの街が教会を中心にしているのと同様、台湾でも寺廟を中心に街が発展しています。お寺は信仰の場所であると同時に、住民を束ねる役所のような機能を持ち、また、門前の広場は市場や集会の場として利用されました。

 1796年に建立された福佑宮では海運の街にふさわしく、航海の守護神である媽祖と觀音を祀り、門前の広場は各地から運ばれた貨物の集積場としても利用されました。廟の門前には龍が彫刻された一対の六角石柱がありますが、これは台湾でも珍しい様式で、福佑宮が古い時代に建立されたことを示しているのだとか。

 廟の各所には、寄進者の船名や、「銀同」「清渓」といった中国大陸における本籍を掘り込んだ石柱を見ることができ、この廟が大陸から船で渡ってきた移民たちの拠りどころであったことが実感されます。また入り口左側には1796年に淡水に灯台を建設したことを記録する石碑が建っています。

 ところで福佑宮の建立当時の復元図を見ると、廟前には淡水河に面した広場があり、背後には美しい緑の山が控えています。これは風水で「後山為屏、前水為鏡」と呼ばれる最高のロケーションなのですが、街の発展と同時に廟の周囲には背の高い建物が並びはじめ、現在ではビルとビルの間に、すっぽりと挟み込まれ、ちょっと神様も窮屈そうな状態に。それでも現在の淡水のにぎわいをみると、神様も笑って許してくれているのでしょう。

【淡水 福佑宮】
住所:台北県(現新北市)淡水鎮民安里中正路200號
交通:MRT淡水駅より徒歩10分


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