2003年12月5日
林森公園・康樂公園

※台北日和の記事は遡及調査をしていないので、現状と異なることがあります。

 台北一の歓楽街として名高い林森北路に、新しく市民の憩いの場である公園がリニューアルオープンしました。14号、15号公園改め「林森、康樂公園」。知る人ぞ知る歴史深い公園なのです。

 林森、康樂公園のあたりは、日本統治時代には三橋町と呼ばれ、公共墓地(日本人墓地)のあった場所として知られています。その公共墓地には、かつて台湾総督を務めた乃木希典氏(第3代台湾総督)と明石元二郎氏(第7代台湾総督)も埋葬されていました。しかし、戦後の住宅難の折には、墓地の上にも建物が並び、墓地と住居、市場などが入り混じった複雑な地域となっていました。

 50年あまりそういった状態のままだったのですが、当時の陳水扁台北市長(現・台湾総統)が推し進める1997年の台北市政府の都市改革により、市民の憩いの場である公園として再開発されることになりました。再開発の際に掘り出された乃木希典氏の遺骨は、日本の遺族の元へ返還され、明石元二郎氏の遺骨の一部は日本の遺族へ、残りの遺骨は新しく作られた台湾の墓へと移されました。公園内にあった墓は、台湾統治に情熱をそそいだ氏の意向を尊重して台湾に残すことになり、三芝郷の「福音墓地(キリスト教墓地)」に移されたのだそうです。その墓地の完成式典には、日台の関係者が100人以上集まって、総督の冥福を祈ったとのこと。短い在任期間に数々の改革、事業を進め台湾人の中でも慕う人の多かった氏らしいエピソードですね。

 2002年にリニューアルオープンしたこの林森、康樂公園、昔の姿を知る人は驚くこと間違いなしの、花と緑がいっぱいの美しい公園となっています。林森公園では中華圏で最大級のヒーローと言われる、南宗の武将岳飛の銅像が勇ましくお出迎え。児童用プレイグラウンドや地下駐車場も完備しています。康樂公園では、水の流れるオブジェと笹のコントラストが和風な雰囲気を醸し出すコーナーがお洒落。

 新しくなった公園で、のんびりと寛ぎながら、この公園の歴史をちょっと思い出してみてくださいね。

【林森公園・康樂公園】
住所:南京東路と林森北路の交差点
交通:MRT中山駅より徒歩5分


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