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碧湖劇場

碧湖劇場

 碧湖劇場は台湾唯一の戯曲学校、国立台湾戯曲専科学校併設のシアターで、優秀な人材が初舞台を踏む特別かつ重要な場所です。

カテゴリ みどころ
住所 台北市内湖路二段177號
アクセス MRT文徳駅から徒歩約10分
電話 02-2796-2666 内線1631
定休日 祝日
営業時間 水曜と金曜の14:00-16:00
WEB http://www.tcpa.edu.tw/
カード

MRT 10分 日本語スタッフ [記号説明]

戯曲人材育成センター

 このシアターは国立台湾戯曲専科学校の校門を入ってすぐの中正堂の中にあります。内部は1階と2階に分かれており、伝統衣装や、同校の歴史や中国戯曲に関する展示物、舞台裏や練習風景などの写真も見ることができます。

 台湾の戯曲舞台は1966年から重要視されるようになり、当時有名だった麥寮拱楽社歌劇団のオーナー陳澄三は、個人の財源で演劇学校を建てようとしましたが、認められず、塾の名義でこれを設立し、これまでに多くの歌仔戲役者を育ててきました。

 その活動が実を結び、政府は伝統戯曲を重視するようになり、1999年に国立復興劇芸学校と国立国光芸術戲劇学校を統合して現在の国立台湾戯曲専科学校と し、キャンパスを内湖校と木柵校の二つに分け、内湖校内には碧湖劇場を設けて、卒業生が試験に合格して資格を得た後に立つことのできる舞台となりました。

 見学は月曜と木曜のみ(祝日は休み)で、午前10時から11時45分まで行われ、中国語、英語、日本語の解説があります。料金は大人400元、学生と65歳以上100元です。学生料金の利用は学生証の提示が必要です。

京劇公演 (火曜14:15〜14:45、木曜10:15〜10:45)

 京劇を一度見れば、舞台にほとんどセットを使わないことや、最もよく使われる小道具は「テーブルと椅子2脚」ということが分かるでしょう。つまり京劇は虚構の芸術なのです。「場随人移、景随口出」という言葉が表すように、全てのシーンは役者のしぐさの中にあります。役者が舞台で戸を開ける動作を見て、観客は戸を開けているシーンだとわかる・・・「パントマイム」のようですが、京劇のしぐさは実際の生活から生まれたものでありながら、生活を完全に模倣したものではなく、更に美化され誇張されて表現されます。ここに来れば、テレビでは味わうことのできない京劇の精神や、生で芝居を見る面白さを楽しむことができますよ。

 舞台の始まる前には、英語、日本語、イタリア語、フランス語、韓国語、ドイツ語、中国語で簡単に京劇観賞の由来が説明されます。また、大きなスクリーンが2つ用意され、日本語、中国語、英語の字幕が見られるようになっているので、ストーリーが分からないなんて心配はご無用です。

 私達が取材当日に見た演目は、木曜の八仙過海です。西王母の宴から帰る道中、ほろ酔いの八仙たちがふとした思い付きで、東海を飛んで渡ろうとしたところ、金魚の精に行く手を阻まれて、戦いになるというストーリー。役者たちの歌やしぐさのすばらしさを目の当たりにして認識を新たにしました。また、立ち回りの場面には、激しい争いよりも、多くの技巧を取り入れた京劇らしく洗練された表現で、京劇によく言われる四功五法(※)が遺憾なく発揮されていて、芝居全体を通して十分見応えがありました。台湾に来たときは、ぜひ足を運んでくださいね。特に6月の卒業シーズンが絶対におすすめです。

(※)身四功とは「唱唸作打」すなわち「節回し」「せりふ回し」「身振り」「立ち回り」のこと。五法とは「手眼身法歩」のこと。京劇では、体のパーツ全てが適切な動きをしなければならないということを表している。

※演目は年に一度変わります。

京劇文物陳列館  (火曜14:45〜15:15、木曜10:45〜11:15)

 京劇を見終わった後は、コースに従って2階の文物陳列館を見学します。長廊下では18種の武器が展示紹介されています。文物館には戯曲公演の流れや練習風景の写真が掲げられていて、一つの戯曲公演には、稽古を積む以外に、帯結びから隈取りや衣装などの細かいことにも注意を払わなければいけないことがわかります。

 入り口には鍾馗(※)という魔除けの神が巡幸に出る様子を表した彫刻があり、衣装まで凝った造形はとてもリアル。イメージ通りの厚い胸板に大きな腰、額には鍾馗があの世へ行くときに残した傷口を美しく再現した赤いモチーフが入っています。また、昔の劇場の再現と何点かの衣装が保存されています。その中の一着、道士のように陰陽魚太極図が入った衣装は諸葛孔明役専用。この特別な人物をアピールするための特別な衣装です。

(※)鍾馗は中国野史の中では有名な状元の一人だが、陥れられて投獄され、短気な性格だったため、事実を知るとすぐに頭を叩き付けて死んでしまった。死後、玉皇大帝から天下の悪党を懲らしめて飲み込んでしまう捉鬼大師の称を授けられた。戯曲の中で鍾馗は胸板が厚く腰の大きながっちりした体つきに似合わず、少女のような動作をするイメージに変えられている。これは、生前のようにかっとしやすい性格が死後に変化したことを突出させている。また、額の赤いモチーフは、鍾馗が頭を叩き付けて死んだとき残した血の跡を美化して表現している。隈取りはいつも同じではないが、意味は同じである。

 京劇を鑑賞するときにいちばん目に付くのは、頭の飾り。兜、帽子、頭巾などで役柄によって被るものが変わり、その役を強く印象付けてリアリティを出したりします。よい舞台に欠かせないのが役に合った良い身段(※)つまり身のこなし。また、良い身のこなしに欠かせないのがぴったり合った良い靴。注目は三寸金蓮(※)すなわち纏足用の靴。もちろん履くことは無理なので、演技のときはハイヒールを履くようにつま先だけ靴に入れ、つま先立ちのまま、しゃなりしゃなりと歩く様を表現します。

(※)身段とは演技をするときの身のこなしのこと。
(※)三寸金蓮とは清朝に興った足を小さく縛る纏足のこと。故意に女性の足を小さくし、もじもじするように歩く姿が愛おしいとされた。

中華雑技表演 (火曜15:15〜15:45、木曜11:15〜11:45)

 中国伝統文化の一つである雑技は2,000年以上の歴史を誇ります。昔は一種の「芸」でしたが、今では一芸術として鑑賞されています。現在の雑技は、長年受け継がれてきた大技に、現代科学を駆使した音響や照明を加えた斬新で巧妙なパフォーマンスに、ダンスや音楽を取り入れた総合芸術となっています。

 剣の刺さった火の輪をくぐる技はとても危険。燃え盛る火の輪を一つまた一つとくぐっていく様は、見ているほうが手に汗を握ってしまいますが、くすりと笑わせる芝居を挟んだりしながら楽しませてくれます。ハンカチ、テーブル、柱から最後には人まで回してしまうパフォーマンスには、その平衡感覚と足の器用さに思わず感嘆。きっと数々の失敗を乗り越えて今日の舞台に立っているのだろうと思うと、惜しみない拍手を送らずにはいられません。舞台の下にいる観客を巻き込む、ボールによるバランス芸も雑技には欠かせません。口に棒をくわえてバランスをとりながら、観客の投げたボールを受ける技もあります。

 碧湖劇場では、雑技も舞台上でただ見せるだけでなく、観客を巻き込んで楽しませてくれます。見に来ている人は台湾人とは限らず、世界各国からのお客様も多いので、パフォーマーは原始的なボディランゲージと、簡単な英語で雰囲気を盛り上げていくのです。

ミニ情報

  • 予約制なので、必ず電話予約をしてください。
お店からのメッセージ

日本統治時代にはすでに広まっていた中国戯曲の上演。人気の高い京劇や台湾オペラとも呼ばれる歌仔戲(ゴアヒ)などは、台湾で100年前後の歴史があり、こうした戯曲はすでに台湾文化の一部となっています。
 ここに来れば誰もが、雑技や戯曲から総合芸能まで、様々な舞台を堪能できます。碧湖劇場では1年を4シーズンに分けて違う演目を上演しており、卒業シーズンには更に新しい演目が追加されます。安い入場料で運営しているため、上演に関わる人材は全て校内から輩出しており、また台湾唯一の戯曲学校であるため、ここで明日のスターに出会うことができるかも!

最終更新:2013年12月05日

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