金門島 台湾海峡の西に位置する金門島は、海の向こうに中国の廈門(アモイ)が見えます。そのため、中国史の局面で重要な役割を果たしてきたエリアでもあります。複雑な歴史を抱えているだけでなく、多くの文官や軍人を生み出した福建省南部の華僑の故郷でもあります。国共内戦の際、最前線であった金門では、大砲、トーチカ、トンネルなど、様々な戦地風景が見られます。が、街中では閩南文化の伝統と美しさが感じられるはず。軍事風景も多く見られますが、金門島の人々は素朴で人懐っこく、旅行者を温かく迎えてくれます。


金門島から見るアモイのビル その昔「浯州」 と呼ばれていた金門島は、中国福建省の九龍江口に位置します。大膽島など大小12の島で構成されている金門島の総面積はおよそ150平方キロメートル。台湾本土から約270キロも離れているのに、中国の廈門(アモイ)まではわずか10キロほどの距離です。

翟山坑道 金門島はその地理的な関係から、中世以後、様々な軍事的役割を果たしてきましたが、特に国共内戦の際には台湾の重要な防衛拠点となりました。塔、トンネル、トーチカ、大砲など、全ての軍事設備は金門島民と兵士たちが力を合わせて完成させたものです。当時、自衛の場として設置されたトンネル、金城民防坑道瓊林坑道は現在観光地として一般に公開されています。また、島内には各所に軍事目的で建設された設備が見られ、金門の歴史に触れることができます。

單瓣九重葛 金門島は素朴な雰囲気の島で、工業化や都市開発による汚染の影響がそれほど感じられません。建築や宗教、伝統行事などには閩南文化が色濃く残り、最近では台湾政府が観光産業に力を入れていることから、古跡の修復や保存などが積極的に推し進められています。

 古くからある集落には、明朝、清朝時代を思わせる純朴な村風景が広がります。建物に見られる美しい装飾やデザインにはそれぞれ意味があり、例えば窓にある十字の透かし彫りは「品徳中庸にして過甚ならず」を表しています。また、ぴったりと向かい合わせた上方の梁と下の梁が、子孫代々品行方正を象徴しているなど、建築物や生活用品の一つ一つに先人たちの知恵が感じられます。

 金門島といえばまず挙げられるのが「包丁、貢糖、高粱酒」。独特な気候と土壌、水質で作られる貢糖はサクサクとした歯ざわりに濃厚な味で、金門でしか食べられない味です。香り豊かな高粱酒は他に並ぶものがないほどの品質。金門みやげには欠かせない存在です。

 ご当地グルメでは、朝食の廣東粥や燒餅に、牡蠣の卵とじ、牡蠣入り麺線にホシムシ(沙蟲)や佛手の炒めものなど、珍しい郷土料理にも出会えます。


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この特集は2009年10月に取材を行いました。内容が古くなっていることもありますのでご了承ください。