この作品は双鈎郭填という書法が採用されています。双鈎郭填とは、透明あるいは半透明の紙で原作を覆い、先ずは双鈎字の輪郭を、そして遂一筆で墨を入れていく方法。硬黄紙が使用されており、三封の短い手紙で構成されています。
一封目の「平安帖」は、行書と草書を組み合わせて書かれています。一方、第二封の「何如帖」と第三封の「奉橘帖」は行書で書かれています。この三封の中では特に「平安帖」の筆の動きがダイナミックであり、さまざまな技法が凝らされています。逆に「奉橘帖」は抑えの効いた筆の動きですが、変化に富んでいることは同様。このため「何如帖」が比較的落ち着いた作風となっています。
| 作品名(全名) |
平安,何如,奉橘三帖 卷 |
| 作者名 |
王羲之 |
| 年代 |
晉 |
| 選定理由 |
「書」は中国が誇る文化であり、文字を書いて残すということだけを目的としているのではなく、芸術の極みと言えましょう。
この作品の作者である王羲之は、書道の大家であり、また革命家でもあります。後の世への影響は非常に大きく、「草書の聖人」と賞賛されています。彼の作品の中でもこれらの書は突出しており、王羲之が創造した優雅な風格を持つ筆の動きが存分に味わえます。 |
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