槓子寮砲台跡
 槓子寮砲台跡は基隆市の信義区と中正区の境にあります。槓子遼山の地形を利用して築かれたもので、山をバックに海に面しており、地形の利を生かした要塞となっています。海抜150メートルのところに位置し、2ヘクタールの敷地を誇るこの砲台は、その昔八斗子と基隆北方海域、および瑞芳方面の陸路を守っていました。

 砲台の建築、構造などどれをとっても、基隆市の砲台跡で歴史的価値が高いものとして知られており、1998年6月30日には、一般でいう「2級古跡」である「省定古跡」の指定を受けています。

(1) 大門
(2) 衛兵所
(3) 軍馬厩舎
(4) 将校官舎
(5) 将校官舎
(6) 一般兵舎
(7) 士官官舎
(8) トイレ
(9) 地下防空壕
(10) 被服庫
(11) 火薬庫
(12) 一般倉庫
(13) 地下防空壕
(14) 補助観測所
(15) 通信室
(16) 補助観測所
(17) 主観測所+通信室
(18) 榴弾砲台
(19) 榴弾砲台
(20) 榴弾砲台
(21) 弾薬庫
(22) 弾薬庫
(23) 弾薬庫
(24) 発電自動車庫
(25) サーチライト庫
(26) サーチライト台
(27) 貯水場
(28) 指揮台
(29) トイレ
(30) 砲具庫
(31) 平射砲台
(32) 弾薬庫



 砲台跡だけあって眺望は抜群。上の写真は、(24)の発電自動車庫から眺めた様子ですが、真っ直ぐ前には九分の集落も見ることができます。※この日は天気がよすぎて、写真では上手く写っていませんが・・・。


槓子遼砲台の3大見所ポイントは以下の通り。

1. 営舎エリア
・将校官用の営舎は、主に煉瓦で造られています。室内は高架床が使用されており、床下の空気流通を良くするための「猫洞」デザインとなっています。
・士官官舎および兵舎は、砂や岩をT字型に積み重ねて作られています。同エリアにはこの他にも、衛兵所や馬屋、洗面所、貯水場などの建物もあります。

2. 倉庫エリア
・被服倉庫にはふとんや衣服などを格納、一般倉庫には日用品などを格納していました。
・倉庫エリアには、この他にも頑丈な造りの指揮所があります。屋根はセメントで作られていて厚さ150センチ、壁も150センチの安山岩を重ねて作ってあります。
・営舎から倉庫へと続く歩道の傍らには、敵の攻撃から身を守るためのトンネルが掘られています。

3. 砲座と観測所
・槓子遼砲台の砲座は一列に並んだ「一字排開」の造りになっており、砲座の任務と地形からいくと、隠し砲台となっているといえます。
・砲座エリアには、榴弾砲座3基、平射砲座1基、弾薬庫4つ、第二貯水場、指令台などが残っています。砲座の最大の特徴は、壁に開けられた数々の通話孔で、砲座間の連絡が便利な造りになっています。また、砲台は円形に配置されており、360度防衛できるようになっています。
・観測所には「メイン観測所」と「サブ観測所」が設置してあり、通信倉庫と銃倉庫と絶えず連絡をとる通信および防空の役割を果たしていました。ほかに照明所や電灯所、発電自動車倉庫があります。


 言葉で説明すると何だか難しく感じてしまいますが、実際にそれらを目の前にすると、ウンチクのような余計な説明はいらないなとさえ思えます。錆びてしまいながらも、砲台跡にしっかり残っている鉄製のボルト。サーチライト庫からサーチライト台まで続く石畳のレール。突然ひょっこりと兵士が出てきそうにさえ思われる弾薬庫入口・・・。

 統治時代を知らない世代である私の心にも、ただ漫然と眺めているだけでも何がしら染み入るものが感じられますから、ましてや当時を知る方々にとって、どれほどの想いが駆け巡るものなのか・・・。

 しかし、とにかくそのままの状態で保存をし続けられてきたこの砲台跡にも、山ろくからケーブルカーを敷設するなどして、観光地としての開発話が出てきているとか。確かに交通の便は悪く、観光バスも上がって来れないような山道ですが、賑やかな観光地となってしまうのはいかがなものか・・・と、個人的には寂しい思いがしますが、地元基隆の人々にとってはどうなのでしょう。

 写真でおわかりのように、周辺はほとんど雑草もない状態に、地元の方々が定期的に清掃整備されているということなのですが・・・。