高雄を映画の舞台に選んだ理由は?
−このたびは「深海 Blue Cha-Cha 」の日本公開決定、おめでとうございます。
ありがとうございます。5月には出演者のリー・ウェイと一緒に、 PRのため日本にも行ってきたんですよ。
−台湾映画と言えば台北が舞台のものが多いのですが、「深海 Blue Cha-Cha 」では高雄。高雄を舞台に選んだ理由は?
「深情似海・・海のように深い愛」。これが今回の映画のモチーフになっています。そのため海と港、また、女子刑務所や工場などが集まっている高雄は、まさに理想的なロケ地でした。高雄市政府が映画制作に対して、積極的に協力してくれるのも大きな理由でしたね。
−映画の中では、主人公が勤めるバーや工場の息苦しさと、海のひろびろとした風景の対象が印象的でした
まさにそのとおりです。台北ですと主人公の心の解放を象徴するような、風景を見つけるのは難しいでしょうね。
映画には興味無しの少年時代
−この映画を見て、高雄を訪問する日本の人も増えるかもしれませんね
そうなるととてもうれしいですね。高雄もいいですが、僕の故郷の宜蘭もお勧めですよ。温泉もたくさんありますし(笑)
−郷土愛ですね。宜蘭ではどのような子供時代を?
家はそう豊かではなかったので、アルバイトをして小遣いを稼いだりと、小さな頃から自立していました。映画館も無いような田舎で、映画を見ることはほとんどありませんでしたね。
−それがどうして映画監督に?
ひょんなことから文化大学の演劇学科に入学し、そこで映画のおもしろさに目覚めました。子供の頃の反動か、学生時代は映画漬けの毎日でした。特にゴッド・ファーザーなどを制作したコッポラと、日本の小津安二郎の作品に傾倒しましたね。
−台湾の映画監督で尊敬している方は?
もちろん、侯孝賢ですよ!「悲情城市」は日本でも有名なようですが、「童年往事/時の流れ」や「風櫃の少年」もすばらしいですよ。台湾をもっと知っていただくためにも、侯孝賢の作品はぜひご覧になって欲しいですね。
「深海 Blue Cha-Cha 」について
−「深海 Blue Cha-Cha 」はせつないラブストーリですが、傷つけられながらも強く生きようとする女性と、すぐに逃げ腰になる男性のコントラストが印象的ですね。これは、今どきの台湾の男女の関係を表しているのでしょうか?
あはは。確かにそれもあるかもしれませんが、僕の母親の影響が強いですね。僕の母は充分な教育を受けられず、読み書きもできないほどでしたが、たった一人で子供たちを守り、大切に育ててくれました。ヒロインのアユーもそうですが、女性はみな“強さ”を内面に秘めているんだと思っています。
リー・ウェイ(李威)ファンの方、ごめんなさい
−それにしても、リー・ウェイが演じるシャオハオは情けないキャラクターですね
まず彼のファンに謝らなくてはいけないですね。テレビドラマやモデルとしておなじみの“かっこいいリー・ウェイ”を期待している方、ごめんなさい(笑)。役作りのために4 、5kg 太ってもらいましたしね。
「深海 Blue Cha-Cha 」の出演を打診したときに、周りから反対されたと聞いています。この映画では彼は主役ではありませんし、ヒーローとは決していえない、まったく逆の役柄です。しかも初出演となる映画ですし。それでもやりがいがある役だと、出演を承諾してくれたリー・ウェイは本当にカッコいい男ですよ。実際に一緒に仕事をして、年齢よりもかなり成熟した男性だと言う印象を受けました。
−ありがとうございました。最後に日本の皆さんへのメッセージをお願いします。
自分で言うのもなんですが、人の心を題材にした良い映画だと思います。ぜひお友達やカップルで映画館へ足をはこんで、観た後に感想を語り合って欲しいですね。そして実際に高雄の海や愛河にいらして、愛や人と人との関係について、また「深海 Blue Cha-Cha 」について考えをめぐらせていただければ、こんなにうれしいことはありません。 |