旅々台北【熱門特集】台湾映画界の若武者、蔡信弘さんインタビュー
旅々台北【熱門特集】台湾映画界の若武者、蔡信弘さんインタビュー
 見終わった後に、ふとした瞬間にシーンが脳裏に浮かんでくるような、味のある名作が多い台湾映画。「悲情城市(1989年公開)」を皮切りに、世界中の注目を集めるようになったのはご存知のことでしょう。ここ数年は若い世代が台頭し、新しい台湾映画が続々と発表されてきています。

  そんな中、いまどきの台湾の若者を演じさせたらこの人、と評判の蔡信弘さんに、台湾映画界について、またご自身についてお話をうかがいました。

プロフィール
・名前:蔡信弘(ツァイ・シンホン)
・生年月日:1977年6月29日
私立華岡藝術学校の演劇科を卒業後、98年『果醤(Jam)』の主役に抜擢。兵役後、2001年『扣板機(引き金)』に出演。主役のアーホンを演じた『台北二一(台北21)』は、2004年アジア太平洋映画祭作品賞を受賞。フリーの俳優として、映画を中心に活躍中。映画には製作スタッフとしても参加しており、上記3作を含む計8作の台湾映画を担当。2005年11月現在は、窪塚洋介主演の『夢May的Man(原作:松鼠自殺事件)/呉米森監督』にスタッフとして参加中。
・出演作品:
1998年 『果醤(Jam)』監督:陳以文
2001年 『扣板機(引き金)』監督:楊順清 
2003年 『台北二一(台北21)』監督:楊順清
※『果醤(Jam)』、『台北二一(台北21)』ともに日本でDVDが発売されています
インタビュー
インタビューの会場となったのは、台北101にほど近い映画監督の呉米森氏、魏徳聖氏のオフィス。現在進行中の作品の絵コンテやポスターなどがあふれ、台湾映画の活気が伝わってきます。「初めまして」と現れた蔡さんは、「台北二一」で演じた弱気な男の子アーホンとは違い、硬派な雰囲気を漂わせていました。



「父親が映画技師で、小さな頃から毎日、映画館に通っていたんだ。ある時は医者、ある時は弁護士と、見るたびに違う人になっている俳優って面白いなぁと子供心に思ったことかな。」

と、俳優になるきっかけを語る蔡さん。役者には映画、舞台、テレビと表現の場がありますが、その仕事の進め方から、スタッフから、全てをひっくるめて映画が一番好きなのだとか。現実的な内容になりがちなテレビドラマに比べ、映画を作る人は夢見がちなロマンチストが多いのだそう。

かく言う蔡さんも、いつかは武士の役を演じてみたいそう。「未来のことはこれから体験できるかもしれないけれど、リアルな人生で武士になることはありえないからね。演技を通じて武士の精神を感じてみたいんだ。」とは、なんともロマンチックではありませんか。



台湾では、映画、テレビ、舞台は各業界で独立しており、役者やスタッフが掛け持ちをすることは少ないのだそう。オーディションも少なく、配役やスタッフは監督の指名や、コネクションで決定することがほとんど。人脈がとても大切なのだそうです。

それではさぞかし、人脈作りのパーティや飲み会が盛んなんだろうと思いきや、

「台湾の映画業界の人は(知る限りでは)、ほとんど遊ばないなぁ。撮影が始まると朝から晩まで仕事だし、撮影が無い時は資金繰りに奔走したり、脚本を考えたりロケ地探しに行ったり・・。頭の中はいつでも映画のことばっかりだよ。」とのお答え。

蔡さんもオフの日のほとんどは、家でDVDを見ているのだそう。まさに映画漬けな生活ぶりのようです。映画ばっかりで飽きませんかという問いに、仕事でもプライベートでも、映画のことばかり考えていられる今がとても幸せなのだとか。駆け出しのころは仕事も少なく、生活のためにラーメン屋でアルバイトをしていたこともあるそう。

「でもラーメン屋では仕事を通じて日本語を覚えられたから、ラッキーだったけどね」と、笑う蔡さん。「台北二一」では日本語の台詞が多いのですが、蔡さんが話す日本語はとてもスムーズ。これもアルバイトのおかげだとか。役者にとっては、なにごとも経験なんですね。



「ぜひ日本人と一緒に映画を作ってみたいね。役者としてでも、スタッフとしてでも。台湾の映画関係者はロマンチックすぎる時があって、映画を作るときにはシビアにならなくちゃいけないのに、どうもうまくいかないんだ。日本人はとても理性的だけど、完成した映画にはとてもロマンがある。この手法を勉強してみたいんだ。」

と、日本映画界に熱いラブコールを送る蔡さんは、自分でも短編映画をプロデュースする予定。すでに脚本は完成し、今はスポンサーを探しているそう。年末には製作がはじまる可能性もあり、「30分ほどのごく短いものだけど、映画ができたら日本の皆さんにもぜひ見てもらいたいです。」とのことでした。楽しみですね。



 これからも大好きな映画の世界で働いて行きたいと、言葉を選びながらポツポツと語ってくれる蔡さん。イマドキのイケメン俳優というルックスの中に硬派な男らしさを感じさせ、まさに"武士"という印象でした。新撰組の志士の役など、似合いそうでしたよ。

 実は台北のお勧めスポットなども尋ねたのですが、しばらくの沈黙の後に、「・・・ごめん。わからないや・・・。」と一言。映画三昧の生活をしているので、遊びに出かけることはほとんど無いそうです。これからも、演じるだけでなく製作にも関わりながら、活躍の場を広げる蔡さんに要注目です!

台湾映画に関する、旅々台北内リンク集(主なもの)
知る・楽しむ 観る
國家電影資料館 台北信義華納威秀影城(ワーナービレッジ)
台北電影主題公園 新光三越デパート・天母店
新竹市立影像博物館 微風廣場(ブリーズセンター)
九分

京華城(リビングモール)

  美麗華百樂園(ミラマー・エンターテイメント・パーク)
光點台北・映画テーマ館(台北之家)