【台湾新幹線でGO!】台湾高速鉄道
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 2005年10月に開通予定の台湾高速鉄道(中国語の正式名称は台灣高速鐡路)。日本の新幹線の改良型が台湾の地を走るということで、ご存知の方も多いはずでしょう。台湾高速鉄道が開通すれば、台湾内も簡単にすばやく移動でき、短時間で台湾各地をめぐる旅が手軽にできてしまうこと間違いなし。今回は、今一番注目されている台湾高速鉄道について、台湾高速鉄道公司の公共事務處(広報部)副総経理の江金山氏にお話をうかがいました。

※開通予定は2006年10月に延期されました(2005年11月現在の情報)
※開通式典が2006年12月07日に開催されます(2006年11月現在の情報)
※上記開通式典は延期(日程未定)されました(2006年11月29日現在の情報)
※ついに開業しました!(2007年01月05日現在)

◆ 本日は、お忙しい中お時間を作っていただきましてありがとうございます。さっそくですが、台湾高速鉄道が整備されることになった契機についてお聞かせくださいますか?また、日本の新幹線導入が決定された要因は?

台湾高速鉄道公司
公共事務處 副総経理 江金山さん
 ようこそいらっしゃいました。この台湾高速鉄道の構想は、1970年に「スーパー鉄道」(現在の台湾高速鉄道に相当)建設案構想が政府に提出されてから、日本へ視察団が訪れたことに始まります。1980年には具体的な計画が開始され、1991年には線路や建設規格などを含む高速鉄道計画が決定しました。当初、政府による建設後に鉄路局に経営が引き渡される予定でしたが、時代の波に従い民間事業者の交通建設参加を奨励する条例が定められ、1996年に正式に入札が行われる運びとなりました。

 1997年の決定時に2グループが入札しており、1つは中華高速鉄道連盟、もう1つが私達、台湾高速鉄道連盟でした。いずれのグループも中心企業は金融機関が担っており、中華高速鉄道は中華開発によって率いられた土木建築、機電と日本の商社によるグループでした。台湾高速鉄道は、富邦金融グループが関連業者と組み、ヨーロッパの業者とも連盟を結成していました。

 最終的に我が社が交渉優先権を得ましので、政府と交渉すると同時にヨーロッパの業者とシステム調達の交渉を開始しましたが、この交渉過程がスムーズに進まず契約を完了できなかったため、三井物産、三菱商事、丸紅、住友商事、東芝、三菱重工、川崎重工からなる日本の業者にも競争を解放することになったのです。結局、日本の業者によって提出された条件がヨーロッパより優れていると判定されましたので、日本側のシステムを採用する決定がなされました。


◆ 日本との提携で今回の計画を進める過程において、何か困難なことはありましたか?

 全ての提携において実施面での問題がありました。日本JR東海とJR西日本では、初めて新幹線を輸出するに当たって、いかにして有効的に輸出するかが大きなチャレンジとなりましたし、台湾側にとっては、いかにして我が国のニーズに適合させていくかが、大きな課題となりましたね。双方とも契約から実施までにおいて、実に多くの問題が山積していたと言えます。

◆ 現在の工事の進捗率は?2005年10月に計画原案のとおり開通する予定ですか?

 高速鉄道システムの工事区分には、土木建設工事、軌道工事、コア機電工事、駅工事、整備工場工事などの5つの項目の異なる工事があります。最近土木工事が完了し、現在進行しているのは、駅、整備工場、車輌の製造、コアシステム工事と軌道工事となっています。総進捗率はすでに63.41%に達していますので、来年10月31日の開通目標に変更はありません。

◆ 今まで最も困難だった工事部分は?

 大変だったのは、高架区間とトンネルですね。20年来の公共建設の経験から言うと、土地の買収が大変苦労する仕事なのですが、今回はあまり大きな問題が生じませんでした。ちょうど不動産市場が冷え込んでいた時期だったのに加え、運行ルートの多くが田畑地などの郊外だったからでしょう。地下化工事の15キロメートル以外は我が社の担当だったのですが、その70%が高架区間になりました。

 特に彰化県以南の190kmは連続した高架区間で、橋梁工事という広義的な定義で見た場合、この工事は世界で最長の連続高架構造体といえるもので、これにはイタリアの最先端技術を導入して対応しました。トンネルはなんと47座もあり、最長の彰化八卦山区間のトンネル(7キロメートル)は、台湾鉄道トンネルの中でも第3位の長さになり、これが最も苦労した区間ですね。大変だったことはいくつもありますが、建設全般的に見ると、順調に進んだと言えるでしょう。

◆ 飛行機や長距離バスとの競争について、どのようにお考えですか?

 高速鉄道は、交通機関の一種です。各交通機関にはそれぞれの特質と特長があり、異なる市場を形成しています。この区別があるため消費者(乗客)のニーズに合わせた対応ができると考えていまして、我が社としては高速鉄道を利便性、スピード性、信頼性、安全性といったサービスを主にご提供できると考えています。安全性において高速鉄道は、専用レール上を運行しますので、飛行機や車が持つ不確定要素と比べてもその安全性は高いものとなっています。信頼性については、比較的天候の影響を受けないといえます。

 利便性については、台北・高雄を除き、中間駅の大部分が既存の発展エリアから離れた場所にあるので決して便利であるとは言い切れません。これは当初、担当していた政府が、高速鉄道駅を介することで新しい市政開発ができることを計画していたからです。乗客が高速鉄道に搭乗するには、市の中心部からの移動が必須ということになります。将来的に連絡道路の実現や路面電車システムの整備、MRTあるいは台湾鉄道の在来線をリンクさせることで主要交通網が形成されていくこと期待されていますし、またこれは大きなチャレンジだと考えています。

◆ 現在1日に運行する本数は決定していますか?その運行ルートはどうなっていますか?

 早朝から深夜0時までに、片道発車として1日88本、往復が176本を予定しています。またルートは1本しかありませんので、停車駅の計画が重要となってきます。現在の計画では、停車駅5駅を考えています。開通当初は、この停車駅5駅あるいはもう少し停車駅が少なくなるかもしれませんが、最終的決定は下されていません。最速は台北/高雄の直行列車となり、中間駅は停車回数の多さによって必要な時間が決定されることになります。

◆ 台湾独自のサービスとして、どのようなものを予定されていますか?

現時点では非売品のノベルティグッズの数々
 我々はヨーロッパや日本を視察し各国のサービスについて研究しましたが、当然我が社のサービス内容は、台湾地区の特性に基づいて調整していこうと思っています。台湾高速鉄道の全長は345kmで東京/大阪間の比較的短い距離しかありませんので、信頼性をアピールするサービスを提供したいと思っています。また飲食サービスについては、他国と比べるとシンプルになりますが、簡単なスナックあるいは車上の販売機によるサービスにとどまる予定です。

◆ 今後高速鉄道のオリジナルグッズは販売される予定ですか?

 予定はありますが、まだ販売を行っておりません。今までいろいろとオリジナルグッズを開発してきましたが、これは純粋なプレゼントであって販売用ではありませんでした。非常に喜ばれ、一部のグッズはネットオークションに出品されて結構な値段で売れたとも聞いています。今年の年末か来年の初頭には、商品の販売を開始する予定です。また日本の業者と提携してスペシャルグッズを開発することも考えています。

◆ 江副総経理が日本に行かれた際に、日本の新幹線の印象はいかがでしたか?


 私は、1982年に初めて日本に行きました。その後台湾高速鉄道プロジェクトが開始されてからこの数年で立て続けに4、5回行っています。入社後、新幹線に乗る度に受ける印象が変わってきました。かつては、新しい交通機関だと思い、その速度や列車内でどのようなお弁当が食べられるのか、切符購入が便利か、迷うことがないのかなどに関心がありました。

 しかし現在では新幹線の施設、消費者を惹きつけることができるのか、バリアフリーの有無、乗客案内システム、列車時間の正確性などに注意が向いています。2年前には台湾の身障者の方と一緒にバリアフリーシステムの調査のため日本へ行ったんですよ。日本の新幹線の歴史は、すでに40年を超えた成熟したシステムであり、安定した運営と信頼性を保っています。これは台湾高速鉄道でもぜひとも見習って行きたいところですね。

◆ 台湾高速鉄道と新幹線を比べてみるといかがでしょうか?

 高速鉄道で使用する700T型は、新幹線の700Cシリーズを基礎に改造したものです。調査の折に700、500、300型の車輌を撮影して比較したいと希望しましたが、断られました。なぜならJR側としては現有のその他の型は、700Tと比較しても見劣りすると考えていたからです。しかし700Tにしても、いずれは古い型になってしまいます。さらに良いものをと、どんどん新しい型の車両や設備が開発する日本の新幹線の姿勢は、素晴らしいことだと思います。

 そして最も重要なことは、日本側から信頼性を学ぶことだと思っています。なぜなら新幹線は、自然の影響を除き運行時間の正確性が非常に高く、その誤差は実に18秒のみとなっています。台湾の交通機関ではとても考えられないことです。我が社は、今年運転士と運行制御人員をトレーニングのため日本に派遣し、彼らは、日本の鉄道業界人のスピリッツを感じ取ってきました。新幹線の担当者は、常にストップウオッチを持って駅の到着/出発時間を計算していたとのことでした。このようなプロフェッショナルなスピリッツと姿勢があったからこそ今の信頼性あるシステムが作り上げられたのだろうと確信しました。また、これこそが台湾が学び取っていかなければならないことだと思います。

◆ 日本人観光客に向けた高速鉄道のPRについてはいかがでしょう?
 我が社は日本人観光客のニーズに大変注目しています。台湾には観光資源が豊富にあり、また台湾への観光客の多くは日本からとなっています。将来我が社の運営部門も、パッケージ旅行商品などの異なるソースの組み合わせを計画しています。また、現在のウエブサイトは中国語と英語のみですが、将来的には日本語による高速鉄道の紹介や旅行情報の提供を考えています。

◆ 日本の観光客へのPRポイントは?また日本の観光客へのメッセージをどうぞ。

 台湾という決して大きくはない土地においても、いかにして観光客を迅速に観光ポイントに到着させ、時間を有効的に運用してスケジュールを手配することができるかが、台湾の観光業が長年直面してきた課題でした。台湾高速鉄道が完成した後には、台湾の人口・産業・資源が最も豊富な西部エリアで、スピーディーな運輸効果を挙げることができるようになります。これによって北/中/南/西部の沿岸地帯が観光旅行エリアを形成し、台湾を訪れる日本の観光客に対してさらに良好な旅行条件と品質を提供できるものと思っています。台湾高速鉄道が開通した暁には、もっともっと台湾旅行が便利になります。皆さん、ぜひ台湾高速鉄道に乗りにきてくださいね。




取材協力:
台灣高速鐡路 (当ページ掲載の画像や写真等著作物は、台灣高速鐡路に無断で使用することは出来ません

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