◆はじめに・・・ガラスのブレスレットとの出会い

 数年前のことでしょうか、とある銀座のデパートで、鮮やかな色のガラスのブレスレットが、ふと目にとまったことがあります。欧米の有名デザイナーの手による洗練された作品が並ぶフロアで、桜の花のような淡いピンクや、深い海のような青、そしてつややかな飴色のトンボ玉がつらなったブレスレットは、その素朴さゆえに、かえって存在感を放っていました。話を聞くと台湾に住む原住民の作品で、ガラスで作られたトンボ玉のデザインには、一個一個、特別な意味が込められているのだとか。

 台湾といえば、グルメに足つぼマッサージ、エネルギッシュな街並みといった印象しかなかった私は、「台湾の原住民」という言葉の違和感につい怪訝な顔。一方、お店のスタッフも、台湾の山奥に「原住民」と呼ばれる人たちがいるらしい、という程度しかご存知ないよう。結局、そのブレスレットを買うことはありませんでしたが、そのやわらかいガラスの輝きと、プリミティブなデザインはずっと心の奥底に眠っていました。

取材:黄小姐、渡辺小姐