TOPICSのバックナンバー




(後半)
【水燈遊行】
 基隆中元祭で、一番人気なのが、この水燈パレード。毎年、国内外のVIPも見学に訪れるとか。今年は台湾総統の他、日本交流協会など世界11カ国からゲストが参観に訪れました。
 
今年のパレードは海軍儀杖隊のパフォーマンスでスタート。花火が打ち上げられる中、ョ氏宗親會の花車に先導され、獅子舞や車太鼓といった伝統的なものから、ブラスバンドやモダンダンスのグループなど、伝統と現代が交じり合った、かくも華やかなパレードが目の前を通り過ぎて行きます。

 特に眼を引くのが、相当のお金と時間を費やして作られた各宗親會の「水燈」です。各氏族のプライドがかけられた「水燈」は小さな廟の形をしており、飾りつけは豪華の一言。これを燃やしてしまうなんて勿体無いと、思わずため息が出てしまいます。

 今年の水燈パレードは午後7時にスタート。基隆市政府広場前でのお披露目の後、市内を練り歩き、午後11時頃に八斗子漁港に到着。そして「放水燈」儀式が開始されます。

海軍儀杖隊のパフォーマンス

モダンダンス

ブラスバンド

花車

ョ氏の水燈

燈篭花車

獅子舞

竹馬パフォーマンス

龍舞

【放水燈】

 各宗親會の花車が八斗子漁港に到着すると、屈強な男たちが水燈を祭壇の上に持ち上げます。そして宗親會のメンバーが祭壇上に果物などの供物を供え、冥紙と呼ばれるお札を水燈内にまきます。そして読経を聞きながら、人々は焼香し、自分たちの思いが祖先の元へ届くよう祈りを捧げます。

 読経が終わった後、冥紙を満載した水燈は水辺に押しやられ、火が放たれます。炎に包まれ、白い煙をあげながら、暗い水面を沖へ向かって流れていく水燈の風景は美しくもあり、なにかもの悲しくもあります。浜辺は大勢の人が集まっているにもかかわらず、奇妙な静けさに支配されていました。

 水燈は海で亡くなった人の魂を陸へ導くと同時に、人々に福をもたらす意味もあるのだとか。遠くへ流れれば流れるほど、多くの福がやってくるそうですよ。

読経を聞きながら、遠い祖先へ祈りを捧げる

水燈を水辺へと運ぶ

暗い水面に燃え上がる水燈

【立燈

 陸で亡くなった人々の魂を慰めるのが「立燈」です。丈夫な青竹を電燈や旗などで飾りつけ、一方には亡くなった方への供え物を、もう一方には神様への供え物を捧げます。これらの立燈がずらりと並んだ、中元節の基隆はとても神秘的な雰囲気が漂っています。

【普渡】
 海から、地下から「好兄弟」が戻ってきた後、各家庭では「普渡施」の儀式が行われます。そのなかでも旧暦7月15日に中正公園の主普壇で開催される儀式が特に大規模で有名。

 読経と打楽器の音を合図に儀式が始ると、主普壇前にずらりと並んだテーブルに、人々が慌ててお供えを並べます。

 あの世とこの世の狭間をただよう魂たちは、人間の食べ物を口にすることができず、近づくだけでご馳走は炎を出して燃え尽きてしまうのだとか。

 唯一食べられるのがこの普度儀式でお祓いを受けた供物のみ。しかも、より満腹感を得られるうえに、早く地獄から脱出できる効果があるのだとか。
この山のようなお供えは、台湾の人たちの亡くなった人たちを思う心の表れなのですね。

【關龕門】
 普渡儀式の後、各宗親会の代表は慶安宮に集まり、媽祖神像の前で今年の中元節の幹事から、来年の幹事となる宗親会への引き継ぎを行う「手爐」儀式を行います。これで中元祭の主な儀式は完了しました。

 そして旧暦7月29日、老大公廟前で「關龕門」儀式が行われます。道士が手に持った七星劍で四方を払う動作をすると、魂たちは、いるべき場所へと戻り、あの世とこの世の門が閉じるのです。

前半へ戻る