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蘇 成田 (Su Cherng-Tyan)氏

茶さん


行政院交通部観光局の蘇成田局長にお話を伺いました。
今、台湾ではSARS感染がとても深刻になっています。観光業界にも大きな影響が出ているそうですね。
   確かに、これは大きな問題です。しかし、我々は近い将来SARSを制圧できると確信しています。大切なことは、SARSを制圧したあと、SARSによって失ってしまった観光客をいかに呼び戻すかだと考えています。まだ決定していないこともあり、今ここでお話しできないのが残念ですが、さまざまなプロジェクトを部内で検討しているところです。
なるほど、確かに悲観ばかりしているわけにはいきませんよね。
   その通りです。今、我々は非常な困難と戦っていますが、明るい将来は必ずやってくるし、それを実現させるのが我々の仕事です。
ではSARS問題はおくとして、一般的な質問をさせてください。台湾を訪れる外国人のほとんどが日本からの観光客、と言っても言い過ぎではないようですが、台湾政府の日本人観光客に対する宣伝は、どこにポイントをおいていらっしゃいますか。
   あまり宣伝に力を入れていなかった頃には、台湾に対して特別な思い入れを持たれている熟年層から老年層が主要なお客様でした。そのため、日本の若い世代、特にそのメインである若い女性のお客様の、台湾についての知識はとても限られていたのです。
 そのため、2年ほど前から、この若い女性世代にまでターゲットを広げて宣伝を開始しました。もちろん熟年層への宣伝も続けていますが、この若い女性向けの宣伝というのが最も力を入れているポイントです。

 宣伝戦略をご説明しますと、最初に若い女性客が興味を持ちそうなテーマについて調べます。日本人が台湾について先ず興味を持つものとは何か。例えばお茶ですね。今、台湾のお茶に興味がある方が多いので、日本向けの宣伝、キャラクターもお茶をテーマにしたものにしています。
 以前お茶のテーマということで、渡辺真理奈さんをイメージ・キャラクターに起用していたのですが、今は「茶さん」という新しいキャラクターをデザインしています。評判は上々で、このキャラクター・デザインはうまくいったと思いますよ。日本市場に対する宣伝の効果が、現れてきた証と考えています。
 実際日本人の若い女性が、フリーで、またはツアー旅行で台湾に観光に来ることが流行になってきています。これからも宣伝に力を入れて行きます。
私もその効果を実感しています。今年の春は、台湾で日本の若い女性をたくさん見かけましたよ。
次の質問ですが、日本で得られる台湾の観光情報として、テレビなどのマスコミ情報のほかに、どのようなものがあるでしょうか?。
   先ずテレビですが、「茶さん」をテーマにした30秒のCMを4本作成し、地域ごと季節ごとに分けて放映しています。もちろん新聞でも、広告を掲載しています。
 広告としては、各種メディアのほかに、ヤフ−ジャパンのサイト上にバナー広告を掲載したりもしています。イメージ戦略の面から言っても、広告はとても重要ですからね。

 次にプロモーション面ですが、専門チームを東京、大阪、名古屋に送り込み、日本の皆さんや旅行業界の人たちに、台湾と「茶さん」を知ってもらうためのPR活動を行ってきました。去年8月の東京では、街頭で500人の若い女性やOLをイベントパーティーに招待し、「茶さん」を紹介しました。
とても盛り上がったでしょうね。手ごたえはありましたか。
   はい。とても楽しんでいただけたようです。このほかにツアーなどの、旅行商品のプロモーションも実施しています。商品内容は旅行会社ごとに異なりますが、彼らが商品を広告宣伝する時に我々観光局も協力しているのです。

 また、いろいろな宣伝プロジェクトも企画、実行していますよ。例えば、今年はお茶博、茶芸博覧会というプロジェクトを予定していたのですが、残念ながらSARSの影響で、現在は一時休止中です。

 この他にもいろいろとありますが、現在、日本で推進中なのが、すかいらーく社と提携して台湾の美味しい料理を紹介するプロジェクトです。
すかいらーく社は、ファミリーレストラン・グループを経営する会社ですよね。
   そうです。ファミリーレストランで、台湾の美食を売り出したいということで、我々と提携しています。4月末から6月にバーミヤンでお食事をされた方から抽選で60名様を、台湾のグルメイベントにご招待します。これも我々のプロジェクトの一環です。
 お客様がレストランで食事をなさると、一人一枚、抽選券がもらえます。そして当選した60人を台湾にご招待というわけです。
とてもおもしろい企画ですね。どのようにこのアイデアは出てきたのですか。
   いろいろなアイディアを薦めてくれる人もいるし、すかいらーくの方たちも、いろいろなイベントを企画していらっしゃいますからね。
すかいらーくは若者、サラリーマン、学生の利用者も多いですよね。
   台湾グルメを売り出し中ですからね。それに台北では8月にフードフェスティバルの開催を予定しています。台湾では「台湾美食節」と呼ばれているのですが、こちらもPRしてくださいね。
すかいらーくでのプロモーションの、詳しい期間を教えていただけますか?
   4月23日から6月26日です。
台湾フードフェスティバルや、「茶さん」をテーマにしたプロモーション活動があるということですね。このほかに、観光局長から日本にぜひお薦めしたい観光ポイントはありますか?
   台湾の山は、とてもおもしろいと思いますよ。日本の方は『一番』に憧れる傾向があると思うのですが、台湾の玉山は東アジア一の高さを誇っています。この一番高い玉山登山の旅を、アピールできるのではと考えています。

 バードウォッチングも楽しんでいただけると思います。日本にもたくさんの愛鳥家がいますからね。また、台湾の美しい森や林も、日本の人たちに魅力的だと思いますよ。

台湾の山といえば、原住民文化を連想しますが。
   ええ、原住民文化も日本人にとって興味のあるものでしょう。

 それから、スキューバーダイビング。日本のスキューバーダイビング人口はおよそ60万人と言われています。今、日本の方が本格的なスキューバーを楽しもうとしたら、パラオやグアム、フィリピンなど、飛行機で遠くまで行く必要がありますね。台湾にもダイビングを楽しめるポイントがありますので、もっとPRすべきだと思いますよ。

台湾のダイビング環境は整っていますか。
   ええ、緑島、墾丁、蘭嶼などです。
 今のところ、ダイビングツアーを実施している旅行社はありません。そのため、自分で旅程をアレンジしなくてはいけないので、この点が日本人ダイバーにとってネックになっていると思います。これについては、旅行社を通して改革していくべきです。もちろん、登山、バードウォッチング、そのアウトドア関連の旅行商品も含めてですね。

 台湾にいらっしゃる日本の方は、台湾のグルメや夜市、九分※の風情ある街並み、故宮、太魯閣などがお目当てのようですが、我々から言わせると、まだまだ山、バードウォッチング、ダイビングなど、台湾の観光ポイントを充分にご存知とは思えません。
(※九分の「分」は人偏に分)

 日本の熟年層のご婦人たちに、ハイキングが流行っているそうですね。台北にも専門道がありますし、台湾でも存分にハイキングを楽しんでいただけるのですよ。

 また、昔を懐かしむ旅というのもあります。その昔、日本が台湾を50年間統治していましたが、その植民地時代の遺跡や物語などが今でも残っています。統治されていた時代に対する複雑な感情の問題もあって、今まで積極的には宣伝することはありませんでした。
 しかし、私はもっと日本の方々に、過去、台湾と日本にそのような関係があったのだと知ってもらうべきだと思っています。昔、台湾に住んでいた日本人の子供、孫の世代の人たちが、自分のルーツ探しに、あるいは自分の家族が昔どこに住み、どこで働いていたのかを探しに来るかも知るかもしれませんしね。この件については、ある程度の観光客数が見込めると思います。
 これも旅行商品にして、日本人の方に、日本時代の文化と風情を体験していただきたいですね。ぜひ日本人の手によって、PRをしていただきたいです。

ところで、資料を集める際に気付いたのですが、ホームページもしくは文書資料に限らず、各地方政府の観光に関する情報量が少ないですね。この点に関してはどうお考えでしょうか。
   地方政府は観光に力を入れてはいますが、まだまだ国内旅行市場に眼がいってしまい、海外からの観光客への対応には手がまわらないのが現状です。
 その中で、がんばっているのが花蓮ですね。海外からのお客を呼び込むには、プロモーションが必要だと分かっています。
 海外へのPRについては、もちろん、我々も彼らと協力して改善していく予定です。
私達も自社のHPで特集を組み、各地方政府がPRしている12節慶、フラワーフェスティバル、音楽祭などのイベント告知を掲載して、日本向けに宣伝をしていきたいと考えています。
ところで、日本と台湾は、経済面、観光面だけに限らずお互いに密接な交流がありますが、政府部門での正式な交流は少ないようですね。
   私たちや地方政府は、日本の都道府県との交流を積極的に行っています。姉妹都市縁組をしている地方政府もあります。
 それと、日本の知事が台湾を訪問するなどの交流もあります。
 最近、日本側は観光客倍増計画のもと、日本市場に対する台湾の重要性に気付いたようです。
 先日も日本の国土交通省の課長さんが、台湾を訪問なさり、私たちもお会いしました。日本と台湾の国交断交以来、初めて日本の政府関係者が観光局を訪問してくださったのですよ。これを機会に、今後も政府関係者の往来が多くなっていくと考えています。
それでは、日本政府に対して何かメッセージをいただけませんか。
日本政府の関係者も弊社のようなメディアをチェックしているかも知れません。
   そうですね。観光というものは、なくてはならないものというわけでもありません。だから、観光は政治とは切り離して考えることができます。観光を通じた交流と言うものは、日本、台湾両国民の感情を含めた交流、お互いの文化の認識と体験の交流であるべきだと、私は考えます。そのため、双方の国民の交流を促進するために、政府における観光というテーマでのお互いのやり取りについては、政治というものにしばられることなく、もっと密接な協力関係を築く必要があると思います。

 現在、日本政府は観光客の倍増計画を実施しています。2007年までに日本を訪れる観光客を1000万人まで増加させる計画のようですが、私たちは2008年までに台湾を訪れる観光客を500万人まで増やしたいと考えています。
 この数の違いは、どの国からの観光客が一番多いか、によります。台湾を訪れる観光客の中で、一番数が多いのは日本の方ですし、日本でも台湾からの観光客の割合が大きいです。もともと2国間の民間交流が活発だったことに加え、政府関係機関の交流も増えれば、お互いの観光客増加計画も容易に達成できると思います。

最後に、局長から日本の読者に向けて、台湾のこと、台湾の旅行についてのメッセージをお願いします。
   先ほど旅々台北.comを見せていただきましたが、他の旅行ガイドやWEBサイトとは一味違っていますね。非常に詳しいデータが揃っているし、料理紹介にしても、細かくコメントがついているし、写真もあります。このようなWEBサイトは今までなかったですね。
 魔法網際が提供するこのような情報は、日本人の台湾に対する理解が深まるという点でもとても価値のあるものです。

 しかしホームページ上で見るだけでは、実際に食べることは出来ません。台湾にきて実際に食べて、見て、体験してみてください。日本からですと、わずか2時間あまりのフライトです。より多くの日本人が台湾においでになり、台湾の人々と親しく交流され、また台湾の文化、景色を楽しんでいただけることを期待しています。