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2009年7月2日

漢字の美しさを感じよう 日星鑄字行


※台北日和の記事は遡及調査をしていないので、現状と異なることがあります。
活字

活字

ずらりと並ぶ活字

ずらりと並ぶ活字

ずらりと並ぶ活字

ずらりと並ぶ活字

版を作る

版を作る

 ここは、以前に「台湾好・店」を取材した時に紹介してもらいました。温和で物知りで、鋳植に情熱を注いでいる日星鑄字行のオーナー、張さんは伝統的な鋳植技術を伝え、もっと多くの人に漢字の美しさを知ってもらおうと、同志の人たちとチームを作って、鋳植を復活させるべく、いろいろな活動をしてます。

鋳植 張さんはこの仕事を始めて40年あまり。張さん一家はお父さんの代からずっと鋳植の仕事をしています。昔は手作業や人力で仕事をこなしていましたが、張さんのおじさんもこの道のベテランで、目測で精確に筆で文字の大きさを書き出すことができ、この文字はどの部首で調べるか、活字はどこにおいてあるかは、すぐに分かります。コンピューター印刷が発達している今でも、この神業にさすがベテランと感心しました。ベテランだと、機械の音でどこがおかしいかすぐに分かるそうで、鋳植を習うには、機械に対する反応が鈍いと、ちょっと大変なんだそうです。

 台湾の印刷業は日本統治時代から日本の影響を受けて発展してきましたが、その後の印刷技術は中国から伝わってきました。しかし台湾は繁体字を使っているので、その美しさを知ることができます。活字は7つのサイズがあって、よく使われているのが6号、5号、4号です。数字が大きければ大きいほど、サイズが小さいのです。ちなみに、初号は一番大きいサイズです。印刷の内容によってサイズを使い分けます。例えば、タイトルに使うフォントのサイズや文章に使う活字のサイズのバランスが大切だそうです。

 印刷では活字の「鋳植」と「撿字」(活字を探し出して、印刷用版を作る)は密接に関係しています。「撿字」は印刷「排版(版)」のルールを知らずに作ると、めちゃくちゃになることがよくあります。また、ない活字があれば書き写して、鋳植に作ってもらって、所定の場所に入れるのも、「撿字」技術者の仕事です。

 最近では張さん達のプロジェクトに興味を持って訪れる人が多く、香港の大学で教えてるフランス人教授や日本人関係者、国内芸術家、デザイナーなどが見学に来て、お互いの意見や経験を交換・交流しているとか。台湾の芸術大学の教授も教え子を連れて見学にきて、古い活字書体の美しさを通して、自分のアイディアを広げるそうですよ。

活字を集めてみた また、活字の「つくり」は、たとえ一つの「点」でも、文字全体と緊密な関係があり、一つの文字を成り立つために存在します。ここを訪れる人の多くは芸術やデザインに関係しているので、このことは彼達にとって、よい刺激になっているそうです。

 今は鋳植の技術を習いたいという人も多く、張さんも喜んで自分の知っている技術を教えようと、今年の9月から教習を始めます。一人前の技術者になるには2、3年はかかりますが、1ヶ月に2、3回しか来られない人にとっては、一人前になるまでは、長い時間がかかりそうです、とのことでした。

 張さんはこうしたプロジェクトだけでなく、鋳植に関する資料を収集、整理し、鋳植・活字博物館を作って昔の人の知恵や文字の美しさを伝えたいそうです。張さんの夢を叶えてあげたいですね。

【日星鑄字行】
住所:台北市太原路97巷13號
電話:02-2556-4626
HP:http://rixingtypography.blogspot.com/
営業時間:8:30-17:30
定休日:土・日・祝