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台湾の庶民の味といえば、米羔(ミーガオ)と四神湯(スーシェンタン)に限ります。もっちり炊き上がったもち米のおこわに、さっぱりとしたモツスープの組み合わせは、台湾の文化が生み出した美食の代表。苦手な方も、ぜひ挑戦して欲しいメニューです。
どの国にもどの地方にも、その地を代表する日常食があります。台湾のグルメといえば小籠包や北京ダックなどが有名ですが、それらはあくまでもハレの日のご馳走。それに対するケの日、すなわち普段の日に食べられる料理こそが、その土地の文化を知るかっこうの手がかりになるのです。
この米羔と四神湯は台湾を代表するソウルフード。街のあちこちに看板をかかげた食堂や屋台があり、学校帰りや夜遊びの最中になど、小腹がすいたとさっと食べて帰っていく。そんな気軽なスタイルが似合うメニューなのですが、日本人には苦手な人が多いのも事実。その理由は、まず米羔に乗せられた大量のそぼろ(肉鬆)。材料は豚肉がメインなのですが、いずれも砂糖がたっぷり入った独特の甘さで、台湾料理は好きだけどこれだけは・・と、香菜に並ぶ“台湾二大乗せないで食材”のひとつなのです。台湾の人はこれが大好きで、台所には必ず肉鬆の缶があるといっても過言ではありません。お土産屋としておなじみの新東陽もこの肉鬆で財を成したといわれているほどなんですよ。
そして四神湯。4人の神様のスープとはなんとありがたい・・と思われるでしょうが、中身は豚のモツと蓮子、淮山などの4種類の漢方薬。見た目も中身もいたって地味なメニューなのですが、胃腸の調子を整え、滋養をつける効果があり、食欲が落ちる夏には必須のスープなんです。ほんの数十年前までの台湾では豚肉は最大級のごちそうで、普段はモツの煮込みや豚の油をご飯にかけていただていたそう。こんなシンプルなスープに“神”という名前をつけるほど、ありがたがっていた時代もあったのだなぁ・・としみじみしちゃいます。しかしそんな思いを吹っ飛ばすように、ぶつ切り小腸がたっぷり入ったスープの見かけはなかなかホラー。でも塩味のきいたスープと、コリッとしたモツの歯ごたえは旨み充分で、台湾好きの方こそ、ぜひトライしていただきたい一品なんですよ。
米羔と四神湯の有名店は各地にありますが、高雄市の「米羔暦」は屋台出身の老舗で、地元ファンも多い良質な名店です。米羔の独特のモチモチ感を出すには新米と古米を混ぜる必要があるのですが、その配合は社外秘だそう。蘇東坡の詩が書かれたシックな店内では、昔なつかしいパッケージのラムネなども販売され、豚肉がごちそうだった古きよき時代へお客さんを案内してくれますよ。
※米羔の“羔”の左側には“米”がつきます。
※米羔暦の“暦”の中は“昔”になります。
【米羔暦】
住所:高雄市自強三路150號
電話:(07)269-2220
営業時間:11:00〜01:00(無休)
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