旅々台北.com
台北日和

2007年3月23日

儒家の息吹を感じる 錢穆故居
 自然に囲まれた静かで美しい故居。儒家である錢穆が、1968年から94歳になる1988年までの20年間、身体の許すかぎり学生達に講義を続けた場所、それがこの美しい錢穆故居なのです。

 錢穆は1895年に中国で産まれた著名な儒家です。生まれつきの才能に加え、学問に対する探究心は人一倍であり、また生涯を通じ学生達を指導してきた教師として、今でも彼を師と仰ぐ人が数多くいます。

 彼の故居があるのは、國立故宮博物院への道すがら、外雙渓と呼ばれる山深いエリア。東呉大学をぬけた小高い斜面に、深い緑に囲まれるように錢穆故居がひっそりとたたずんでいます。道路に面した赤門には、「素書樓」の文字が刻まれた黒看板が。錢穆が1968年に香港からこの地に移り住んだ際に、母親を記念してこの家を「素書樓」と名づけたそうですよ。錢穆の奥様が設計したというこの建物は、窓がたくさんあり採光抜群。2階には見晴らしのよい廊下やバルコニーもあり、晩年病気がちだった錢穆の散歩にも活躍したそうです。

 1階には錢穆が講義を行った居間があります。いつも多くの聴講生で満室で、立ったまま授業を受けることもザラだったとか。2階の書斎にはシンプルな書斎机のほかに、錢穆の胸像があり、壁一面につくられた天井まで届く本棚からは、錢穆の書物好きと研究への熱意をうかがい知ることができます。廊下からは仲の良さが評判だった錢夫妻が、2人で植えたという庭木が見渡せます。居心地がいいのか、最近ではこの庭にも猫が住み着き、その愛らしい姿で参観客を楽しませてくれますよ。

 現在、故居では読書会や学術研究会、児童向け経典読書クラスや音楽会などの文化講座が月に2回ほど開かれています。1階のコーナーには、カフェ「人文茶坊」が併設されているのですが、こちらのご紹介はまた今度。

※ 入場無料、ガイド(中国語、英語)が必要な方は1週間前に要予約
※ 錢穆故居はイベント会場やロケ地、変身写真のロケ地としても場所を貸し出ししています。ご興味のある方はお電話にてお問合わせください。

【錢穆故居】
住所:台北市臨渓路72號
電話:(02)2880-5809  
営業時間:(火〜日)09:00-17:00
定休日:月曜日と祝祭日
HP:http://www2.scu.edu.tw/chienmu/ 
交通:MRT芝山駅から車で約15分

[バックナンバー]