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台北日和 2006年9月11日
がんばれ 台湾寿司職人!
 日本食がすっかり根付いた台湾でも、お寿司はまだまだ高嶺の花。スーパーの持ち帰り寿司や、回転寿司が主流の中、職人が握るお寿司をお手ごろ価格で食べてもらおう、という動きが出てきているようです。

 日本食がすっかり日常の一部になり、コンビニでは日本そばや、カツカレーまで販売されている台湾ですが、お寿司、特に握り寿司はやはり別格です。日系スーパーの持ち帰り寿司コーナーや、回転寿司屋はいつもにぎわっているものの、職人さんがカウンターで握ってくれる寿司がいただけるのは、ホテルや台北市内の高級店に限定され、値段もかなりの覚悟がいるレベル。職人さんのほとんどは日本から招聘された人たちで、お店があるのも一等地。そのためコスト高になるのはしかたないのでしょうが、庶民にはまだまだ遠い存在なのです。

 しかしここ数年、国内の名店で修行を重ね、晴れて自分のお店を持つ台湾人の寿司職人たちが、少しずつですが増えてきました。その中でも名店と評判が高いのが、MRT淡水駅近くにオープンした「淡水寿司」です。観光客でにぎわう通りの一角にあり、お店自体もほとんど飾り気が無いため、あぁまた"なんちゃって寿司(※)"かと思っていたのですが、オーナーは有名日本料理店を渡り歩いたキャリア25年の持ち主で、現在は台北西華飯店の日本料理顧問を務めている腕前だとか。

 これは期待できそうだとさっそくお邪魔したところ、確かに寿司は・・うまいっ!白身魚には柑橘系の香りをかすかにまとわせたり、マグロに軽く明太子を添えてみたりと、単に握るだけではなく、ひとつひとつに工夫が感じられます。そしてお値段も、握り盛合せが240元(約850円)、日本直輸入の大きなアナゴや、20匹ものエビの卵を集めたエビ卵握りが1カン80元(約280円)、泣きたくなるほど大盛りのウニが150元(約530円)と、台湾ではかなりリーズナブル。市内の約半額〜3分の1ほどで、オーナーに手を合わせたくなるほどです。

 しかし事前に入手した雑誌や新聞の紹介記事と比べると、現在のメニューはぐっと地味。山芋明太子や、大根と貝柱の蒸し物といった、見た目も美しい前菜系が姿を消し、代わりにサンマ定食やうな丼、鮭チャーハンなんていう、食事ずっしり系が登場しています。こっそり聞いたところによると、やはり観光地淡水といえども、市内を外れると寿司メインでやっていくのは難しいのだそう。しかし、台湾にやっと芽生え始めた、台湾人による台湾人のための台湾人の寿司屋を守りたい。在台邦人の皆様、淡水へおいでの際には、ぜひ握り寿司はいかがですか?

※なんちゃって寿司:一見、ちゃんとした寿司に見えるものの、シャリがキャベツの千切りだったり、具が肉髭(肉そぼろ)だったりするもの。手巻き系に多し。

【淡水寿司】
住所:台北県淡水鎮公明街87號(スタバ裏)
電話番号:(02)2629-2873
営業時間:11時30分〜14時、17時〜21時
定休日:月曜日
交通:MRT淡水駅より徒歩3分

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