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台北日和 2005年9月27日
監察院(旧台北州廳舍)

※台北日和の記事は遡及調査をしていないので、現状と異なることがあります。

 監察院とは聞きなれないお役所名ですが、簡単に言うと国家機関、公務員を監察、監査する機関のこと。国のお目付け役なんですね。そんな重要任務に相応しいクラシックな建物に入居しているのですが、実はこの建物、古跡好きには鬼門でして・・・。

 台北駅から忠孝エリアへ向かう時に、忠孝東路と中山北路の交差点にたたずむ石造りの建物に、目を止めた方も多いのではないでしょうか。けっして大きな建物ではないのですが、ギリシャ風の円柱が並んだエントランス、ドーム型の屋根、随所に施された細かい彫刻、そして銃を手に目を光らせる憲兵の存在が、この建物が只者ではないことを物語っています。それもそのはず、建物が落成したのは1915年(大正4年)と、ざっと90年前。戦前は台湾北部を統括する「台北州廳舍」、戦後は台湾の国家機関、公務員を監督、調査する最高機関「監察院」の庁舎として使われてきたのですから、重厚さにも磨きがかかるというものです。

 しかしこの建物、どこかで見たことがあるような・・と思われた方は、するどいですね。こちらを設計した森山松之助(1870-1949年)は台湾現代建築のホープと呼ばれ、台北州廳舍(現:監察院)をはじめ、総統府、台湾総督府官邸(現:台北賓館)、台南州廳舍(現:台南市政府)、台中州廳舍(現:台中市政府)など、戦前の主要公共施設のほとんどを手がけた人物なのです。マンサード屋根(mansard roof)と呼ばれる二重勾配屋根や、ギリシャ建築からインスパイアされた列柱を採用し、小規模な建物をより大きく見せ、重厚感を与える技術に優れていたと言われています。その一方で、新宿御苑に中国南方様式の旧御涼亭(通称:台湾閣)も設計していて、多彩な才能を持った人物だったようです。余談ですが、この旧御涼亭は1927年(昭和2年)、当時の皇太子(後の昭和天皇)ご成婚を記念し台湾在住邦人の寄付により献上された建物で、日本では数少ない本格的中国建築のひとつだそう。桜と紅葉の時期は特に見ごたえがあるとの噂ですので、ご興味があるかたはぜひお立ち寄りください。

 さて、話は戻って監察院の見所ですが・・・すみません、至近から写真が撮れなかったのです。なにせ国の最重要機関のひとつだけあり、ガードが厳しい、厳しい。玄関前で立ち止まりカメラを向けただけでも、憲兵に「ダメ!」と追い払われてしまうのです。これが冒頭に“鬼門”と書いた理由でして・・。しかし、事前に申込をすれば、内部の見学も可能だそう。ちょっとトライしてみますので、続きをお楽しみに!

【監察院(旧台北州廳舍)】
住所:台北市忠孝東路一段2號
交通:MRT/国鉄 台北駅より徒歩5分
HP:http://www.cy.gov.tw/

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