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台北日和 2005年5月11日
職人魂が光るヒノキ桶 林田桶店

※台北日和の記事は遡及調査をしていないので、現状と異なることがあります。

 日本統治時代を経た台湾では、そこかしこで昔ながらの日本に出会うことができます。古めかしいバロック様式の趣あふれる建物に、長年のさびが堂々とした貫禄をかもしだしている「林田桶店」もその一つ。

 こちらではその古めかしい建築物だけではなく、そこに宿る日本の職人魂を引き継いだ名物ご主人、林相林さんにも要チェックですよ。「あんた日本人?うちの桶はね、全部ひとつひとつ手作りなんだよ。このお店は親父が始めてな、わし2代目なの。」と、気さくにお話してくださる林さんは、今年75歳。小さいころに日本語教育を受けたとのことで、そのネイティブと変わらないちょっと早口の口調は、なんだか日本のおじいちゃんとお話しているかのような錯覚に陥ります。

 1代目である林さんのお父様がこの桶店を始めたのが、昭和3年(1928年)。お店のたたずまいも看板も、当時のまま今も変わることなく残されています。日本人親方のところで修行をして職人魂をたたきこまれて帰ってきた林さんが、このお店を引き継いではや半世紀以上になります。お店、というにはあまりにも歴史を感じさせる味わい深い店内の一角には作業用のスペースが。そこでは今も林さんが作業を続けているのです。「桶作りはきつい仕事だからね、息子も今後引き継いでいってくれるかは分からないよ。」とは林さんの弁。そうはおっしゃいつつも、息子さんは3代目店主を目指して修行中なのだそうですよ。

 店内にあふれんばかりに積み上げられているのは、ヒノキの風呂桶(NT$20,000〜)やすし桶といった大きなものから、お土産にも最適なミニセイロ(NT$330〜)まで、どれも一つ一つ丁寧に手作りされた逸品ぞろいです。なんでも、昨今の温泉ブームで、ヒノキの桶や風呂桶などが台湾人にも人気だとか。大手の温泉ホテルなども、「林さんとこの桶は丈夫だからね!」と喜んで買っていくそうです。やっぱりお風呂にはヒノキの芳香が最適ですよね。小さな手桶やお風呂用の椅子などもあるので、お土産にいいかも?そうそう、セイロやおひつなどのお料理用の商品には、ヒノキではなく杉を使用してあるとのことで、食品には匂いが移らないから大丈夫だよ!と林さんがガハハと笑いながらオススメしてくれました。皆さんもぜひ、一度立ち寄ってみてくださいね。

【林田桶店】
住所:台北市中山北路一段108號
電話:(02)2541-1354
営業時間:(月〜土)10:30-20:30、(日)10:30-17:00
定休日:旧正月、端午節、中秋節
交通:MRT中山駅から徒歩約7分

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