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台北日和 2004年10月29日
台南 國家台灣文學館

※台北日和の記事は遡及調査をしていないので、現状と異なることがあります。

 読書の秋にちなみ、・・・ってわけではないですが、日本時代の重厚な気品あふれる建築物を改良して作られた文学館で、台湾文学に触れてみませんか?

 2003年10月にオープンした國家台湾文学館は、台湾文学の史料を系統立てて収集、整理、紹介した初の博物館です。他の国では文学館や文学研究会を所有して、自国の文学を研究する組織や体制が整っていたのに対し、今まで台湾ではその組織が整っていなかったのが現状。そんな台湾で、この國家台湾文学館が初の「文化資産保存研究中心」として誕生したのです。この台湾文学館ではいくつもの研究室が設けられており、作家や学者の研究のために開放されています。さらにそれらの研究の成果や、文学館で開催されるイベントなどをまとめた情報誌「台灣文學館通訊」も定期的に発行していて、台湾国内のみならず、海外にもどんどん台湾文学を紹介していこうという機運が高まっています。この文学館では台湾文学の書物をはじめとした図書の閲覧はもちろんのこと、大事に保存されている台湾人作家の原稿や文物にも触れることができます。それらは、季節によりテーマごとに館内の大小の展示場に展示されます。児童文学坊という子供向けの図書室も完備しており、ブルーを基調にした海の中を思わせる快適な空間の中で楽しく読書ができるようになっています。

 さて、台湾初といわれる台湾文学をテーマにした文学館ですが、ここのもう一つのポイントが日本統治時代に建設されたという建築物です。統治時代の1916年に市役所として建設されたこの建物は、日本人建築師森山松之助の作品で、19世紀のフランスで公共の建築によく使用されたといわれるマンサード様式の建物で、建設当時にはその威風堂々とした様子にまるで台南の総統府のようだとも言われたとか。しかし戦時中にはこの「台南州廳」(國家台湾文学館になる前の名前)も戦火を免れることなく、その自慢のマンサード屋根(腰折れ屋根)や正面玄関両脇のドームなども損傷を受け、戦後幾度となく修復工事を行い台南市政府として使用されてきました。そして1977年、台南市政府が新しいビルに引っ越したのを契機に、文学界の長年の希望であった「國家台湾文学館」が設立されることになったのです。

 台湾文学の歴史だけでなく、「國家台湾文学館」の建物の歴史も展示場で紹介してありますので、ぜひこちらもお見逃しなく。

【台南 國家台湾文学館】
住所:台南市中正路1號
電話:(06)221-7201
HP: http://www.nmtl.gov.tw/

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