2004年4月14日
大龍●保安宮(後編)

 今週末から、台北最大規模のお祭りがスタートする保安宮。華やかなパレードや民族舞踊、豪華なお供えは見逃せませんが、やはりお寺そのものの美しさもぜひ堪能したいところ。特に正殿の細密壁画は見逃せませんよ。

 大規模工事が完了し、どこもかしこもピッカピカ。日光を反射して輝くゴールドの鴨居や、今にも飛び立ちそうな極彩色の龍の彫り物。いかにもできたて、新しいお寺のような雰囲気ですが、実は創建当時の姿をほぼ再現しているというのだから驚きです。

 保安宮の歴史は今をさかのぼること260年ほど前。1742年に中国の福建省から移民してきた人々が、故郷のお寺から授かった「保生大帝」の像を祀るための小さな廟を建てたことからはじまります。その後、浄財を集め、1760年には現在の本殿が完成しました。しかしこの年代には諸説あるようで、1830年に完成という説もあるとのこと。

 主神の「保生大帝」は医療と長寿の神様。宗の時代に実在した名医が、その死後に神様として祀らました。保安宮では薬草の神「神農大帝」とタッグを組み、健康と長生きを祈る人々の信仰を一身に集めています。このほかにも道教の神様など、台湾の寺廟ではお馴染みのメンバーが揃っていますが、注目したいのが媽祖(天上聖母)。媽祖は台湾で一番人気といっても過言ではない女神なのですが、海の神様だけあり日焼けをしているのか、顔は真っ黒なのがスタンダード。ところが保安宮の媽祖のお顔は、白に近い薄い小麦色。UVケアしないと、お肌に悪いよ〜。この薬草で美白パックしなよ!と、保生大帝たちからアドバイスでもあったのかしらん、などと妄想にふけってしまいます。

 また見逃せないのが、本殿の左右、後方の壁に描かれた細密画。中国の古典の一場面が、生き生きと、躍動的な筆で描かれています。後方の「八仙大閙東海」は、台湾人にはおなじみの物語の一場面。七福神の原型とも言われる八仙人と、海の神様の戦いの図なのですが、亀の甲羅をしょった小役人(?)や、貝殻をしょった美女。鯛と思しき真っ赤な魚が剣を振るっていたりと、国が違えば神様の描き方も違うものだなぁ〜と、なんだか楽しくなってしまいます。

 そうそう、保安宮は日本統治時代の1918年(大正七年)にも大規模修繕を行っているのですが、それを記念する“大正七年”という文字が、正殿前の柱や石の窓枠などに彫られているのを見ることができます。これも台湾と日本の長い歴史を考える上で、ぜひチェックしておきたいですね。

 とてもここでは書ききれない、魅力満載の保安宮。ぜひあなたの目でご覧になってくださいね。

【大龍●保安宮】
住所:台北市哈密街61號
電話:(02)2595-1676
交通:MRT圓山駅より徒歩約5分
HP:http://www.paoan.org.tw/
大龍●保安宮(前編)

※…●は山へんに同


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