2003年11月20日
李春生紀念教堂

 19世紀後半から戦前にかけて、現在の迪化街エリアには、貿易商の立派な洋館が立ち並んでいました。この地は異国からの商品のみならず、技術、言葉、知識、思想などの入り口でもありました。もちろん宗教も例外ではありません。

 台湾の対外貿易が本格的にスタートしたのは1860年のこと。当初開放されたのは安平(台南)、高雄、基隆、淡水の4港で、John Dodd社に代表される英国企業を中心に、「洋行」と呼ばれる貿易会社が各地に設立されました。外国商人は台湾の樟脳とお茶を求め、代金をアヘン(麻薬)で支払うこともあったため、アヘン中毒の拡大を懸念する台湾人による、外国人排斥運動も発生したこともあったとか。

 外国からやってくるのは貿易商だけではありません。長旅を経てこの地に降り立ち、布教に人生を捧げた宣教師も少なくないのです。外国人と接触する機会が多かった台湾人貿易商の中にはキリスト教の洗礼を受ける人も見受けられ、その中の1人が李春生氏です。李春生氏はアモイ出身。台湾に移民後は茶商として財を成し、欧米に中国茶を広めた先駆者となりました。「台湾茶葉の父」と呼ばれ、迪化街に残る氏の豪邸を見ると、その羽振りのよさがわかるというもの。外国人と台湾人の仲介を務めたり、市場や鉄道の建築にも貢献した人格者としても名高かったようです。

 李春生氏が教会を建立した正確な年は判明していませんが、20世紀初頭であることは間違いない模様。当時は白い石に彫刻がほどこされたゴシック式建築が流行していたのに対し、教会は赤レンガ製のすっきりとした外見が特徴。2階正面の2つの丸窓と四角いドアが人の顔に見えると、評判を呼んだそうです。後世、子孫により「李春生紀念教堂」と改名され、今でも現役の教会として住民に愛されています。

【李春生紀念教堂】
住所:台北市貴徳街44号
電話:(02)558-0753
交通:バス9、40、12、52、274、302、522、660番に乗り中興醫院バス停で下車して、徒歩5分
ミサの時間:毎週日曜日午前10時〜正午


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