2003年11月13日
萬華 番藷市街

 直訳すると「さつまいも町」となる番藷街。さぞかし素朴な田舎町かと思いきや、立派な西洋風建築が立ち並ぶ、台湾一のオシャレストリートだったのです。だけどそれは、50年前のおはなし・・。

 かつて番藷市街があったのは、台北市は南西の萬華エリア。現在の、華西観光夜市がある一帯です。淡水河、大漢渓、新天渓という、三つの河の合流点にあり、土地も肥えていたことから、古来より原住民の水運、漁業、農業の中心地として開拓が進められてきました。そして18世紀初頭より、中国大陸からやってきた漢民族の入植が本格化。19世紀後半から20世紀にかけて、台湾一の繁華街として、その頂点を極めたのです。

 番藷市街の名前は、漢民族の移住が始まった頃に、この地で原住民と漢民族との交易市が立ち、その主要品目が番藷(さつまいも)だったことが由来とのこと。さつまいもなどのイモ類が、当時の主食だったそうですよ。赤レンガの西洋建築に、中華風モチーフと亭子脚(回廊)を加えた、中国福建式の屋敷がずらりと並ぶ様は、さぞかし壮観だったことでしょう。

 日本統治時代には遊郭エリアに指定され、数多くの純和風旅館や料亭でひしめいたとのこと。中華、西洋、そして日本式の建物が入り混じる、無国籍な街の通りを、きれいに着飾った舞妓や芸者が行きかう様子はそれは美しかった、と今でも語り継がれているほどです。

 現在の番藷市街は老朽化が進み、残念ながらレトロな建物も徐々に取り壊されています。古きよき時代を懐かしみたい方は、ぜひお早めにご訪問ください。

【萬華 番藷市街】
住所:台北市萬華区華西街、貴陽街エリア
交通:MRT萬華駅より徒歩10分


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