2003年8月27日 錦記茶行

 乾物・漢方薬の問屋街として有名な迪化街の近くをブラブラ散歩していると、見るからに重厚で華麗な白亜のバロック建築物を見つけました。

 おお、乾物街の近くにいきなりこんなヨーロピアンな建物!とちょっと感動してしまいましたが、実はこのあたりにはこのような古い洋館が数多く残されています。というのも、このあたりの大稲と呼ばれるエリアは、その昔台北一の商業の街として栄えた場所なのです。そのころに富を築いた商人達が競って豪邸を建てたため、このあたりは古い建築物好きにはたまらない散歩していて楽しい街となっています。

 後で調べてみて分かったのですが、この錦記茶行も例にもれず、お茶商人の豪邸なのだそう。お茶屋として成功し、台北商業会を設立した陳天來氏が、1923年に建設したこの白亜のお城。淡水河の近くにあるため、洪水時の氾濫対策のために道路より階段にして5段ほど高いところに建てられています。バロック建築の特徴である豪華絢爛な装飾がほどこされた建物を見ていると、ついつい中に入ってバルコニーに佇んでお姫様気ごっこでも・・・と思うのですが、ここは現在も住宅として使用されており、もちろん勝手に入るわけにはいきません。・・・残念。

 この3階建ての錦記茶行は、このあたりに立ち並ぶ他の商人達の豪邸の中でもとりわけ豪華なもの。なんと台湾初の水洗トイレが導入されたのもここだそう。日本統治時代に、日本から皇族や政府要人などが台湾を訪れた際には、この錦記茶行が台湾人の模範住宅として、必ず案内されたそうです。模範住宅・・・。そのままこのような豪邸が模範住宅だったのなら、今の台北の風景も随分と変わったことでしょうに・・・。

 移り変わる商業と共に、今ではこの大稲エリアに残された豪邸もどんどん取り壊され、金融、証券、貿易関連の会社が入った現代的なビルに変わりつつあります。レトロな雰囲気の漂うこれらの建物を、大事に保存してもらいたいと思うのは私だけではないはず。迪化街に買出しにくる機会があるときには、ぜひこのあたりの古い建築物をゆっくりと鑑賞してみてくださいね。

【錦記茶行】
住所:台北市貴徳街73號
交通:バス9、40、12、52、274、302、522、660番に乗り中興醫院バス停で下車して、徒歩5分


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