旅々セレクト
TABITABI Select蟳之屋
澎湖島から来た繊細な海鮮料理
高雄市民生一路の並木道を歩いていると、巨大なカニを掲げたお店を発見。ここが「蟳之屋」という名前の海鮮レストランです。赤茶色のレンガが年代を感じさせ、落ち着いた雰囲気で、騒がしさや乱雑さを感じさせません。このレストランは、1976年にオープンして以来30年以上の歴史を持つ、高雄地区でも有名なレストランなのです
現在、2代目オーナーである黄富民によると「国内外の機内誌やガイドブックで紹介され、食事時になると外国人客の割合が台湾人を超えるほどで、商談の場として選ぶ企業も多いんです」とのこと。澎湖風シーフードを看板に、高雄で30年以上も人気を誇る海鮮レストランが、ここまで人を惹き付ける秘密は何なのでしょう?
高貴な内装と行き届いたサービス
生け簀は自ら海鮮食材を選ぶ楽しさはあるのですが、どうしても乱雑で嫌な匂いがする上、スタッフも忙しく動き回っているため、お客の細かいニーズに応えるのは難しくなります。その点、このお店の店内は明るくて天井が高く、清潔で爽やかな感じで、他のお店とは一線を画しています。並木通りの風景を眺めながら、ゆったりと都会のオアシスを満喫できますよ。
スタッフが中国語、英語、日本語で書かれたメニューを持ってきてくれるので、料理の組み合わせをあれこれ考えたり、スタッフのお薦めを聞いたりしながら、他では味わえない正統派澎湖風シーフードを楽しむことができます。
実は黄総経理の実家は澎湖島にあり、現地で親戚の方が選んだ海鮮食材が、直行便で高雄に空輸されるため、新鮮さはいつも最高。2代目の経営者兄弟が受け継いでからは、元のメニューを守るだけでなく、更に完璧なレストランにするため、新しいメニューの構想を練り続けています。1階はテーブル席、2階以上は個室で、様々なニーズに応え食事を楽しませてくれます。
蟳之屋の特色の一つは、真っ白なテーブルクロスなどのテーブルセッティングから料理の盛り付けまで、シンプルで洗練されていることです。料理は一皿一皿たっぷり盛られていますが、乱雑な装飾はありません。逆に野菜の彫刻などもないため、視覚的には物足りないくらいです。でも、サービスのクオリティーにはうるさい日本の観光客のニーズにはぴったりのお店です。
おすすめメニュー
醃漬珠螺/味付き珠螺 (90元)
食欲をそそる澎湖特選の珠螺を漬け込んだこの前菜は、歯応えも食べごたえもたっぷりです。塩気は控えめながらにんにくの力でしっかりした味付けになっていて、さっぱりとした冷菜仕立てで食欲を刺激します。
塩酥蟳/イシガニの塩味フライ (1,000〜1,400元)
タンパク質を補い体力が付くというので、蟳(イシガニ)の入った料理は高級料理とされ、上海ガニや毛ガニと同じくらい普及しています。「蟳之屋」という店名からもわかるように、ここのイシガニ料理は絶品です。中でもこの「塩酥蟳」は特にお薦め。大きなオスを選んでいるので、脂が乗り、強壮効果で知られる「はさみ」は、手に持ってもずっしりと重さが感じられます。真っ白で繊細な肉質で甘みもたっぷりです。
紅新娘 (40元/匹)
紅新娘という名前を聞いても、どんな魚か想像もつかないでしょう。これは、台湾西部沿海で捕れる魚です。特に澎湖で捕れた紅新娘は肉厚、つまり紅新娘は澎湖産を選ばなくてはいけません!でも、今は澎湖島まで行かなくても、ここに来ればおいしい紅新娘が食べられますよ。鮮やかな紅色で豊満な体をしたこの魚、まるで昔の花嫁のようです。紅新娘は繊細で臭みがない肉質なので、唐揚げにしていただきます。1人で1匹ぺろりと食べられてしまいますよ。
金瓜米粉/カボチャビーフン (200元)
金の瓜とは黄色く輝くカボチャのことです。カボチャとビーフンの炒め物なんて、聞いたこともありませんでしたが、これも澎湖島料理なのだそうです。柔らかいビーフンが細切りのカボチャにからまって、ねっとりとした食感と、隠し味の牡蠣の風味。初めて食べましたが、とても印象深い味でした。
海菜湯/のりスープ(120元)
毎日採れたての新鮮なのりを使い、新鮮なシラスをたっぷり入れ、塩を少し加えた台湾の漁家では当たり前の栄養スープです。海で採れた食材しか使っていないので、ちょっと味を整えれば、濃厚な甘みと新鮮なおいしさがつまったスープになります。化学調味料を加えていないので、栄養たっぷりで体に負担をかけない自然の味が楽しめます。台湾の漁師さん達が最も簡単な栄養補助食品として重宝しているのも頷けますね。
ミニ情報
- 夜は混み合うことが多いので予約がオススメです。
- 10%のサービス料が必要です。
お店からのメッセージ
記者コメント
最終更新:2013年12月25日