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新平溪煤礦博物園區

新平溪煤礦博物園區

 新平溪煤礦博物園區は廃坑になった炭坑の博物館で、現在32ヶ所の見学スポットがあります。昔の事務庁舎、石炭庫、トロッコ道、福祉施設、トイレや浴場などが再現されているだけでなく、体験型シミュレーション施設もあります。

お知らせ

※台灣煤礦博物館は新平溪煤礦博物園區に名称が変わりました。写真や記事は変更前のものですのでご了承ください。

カテゴリ みどころ
住所 新北市(旧台北縣)平溪區新寮村(十分寮)頂寮子5號
アクセス 台湾鉄道十分駅から徒歩約15分
電話 02-2495-8680
定休日 月曜、旧暦の大晦日
営業時間 春夏9:00-17:30 / 秋冬9:30-17:00
WEB http://www.taiwancoal.com.tw/
カード

日本語スタッフ [記号説明]

失われた石炭の里

 列車がゴトゴト音を立てながらゆっくりと平渓支線に入って来る姿を見ていると、まるでタイムスリップしたかのようです。日本統治時代から、鉄道に沿って築かれた石炭の採掘輸送の現場には多くの労働者がなだれ込み、当時としては待遇も良く、平渓郷の発展をリードしました。最盛期には平渓郷に18の鉱坑ができ、全国一の石炭郷になったこともあります。  しかし、1970年代になると、炭鉱業の没落に伴って石炭が掘られることもなくなり、鉱山は次々に閉鎖されました。平渓郷は記憶の中に葬られて行き、残されたのは、静かに伸びる平渓線の鉄道だけでした。

煤礦博物館

 平渓郷にある煤礦博物館の前身は1967年に設立された新平渓煤礦公司という会社です。最盛期は500人以上の坑夫を抱えていましたが、採掘停止に伴い、荒廃した鉱山を残すのみとなってしまいました。  当時の経営者詠滄氏は炭鉱業への思いを捨てきれず、1997年の閉山以来、34ヘクタールの土地を積極的に開発、炭鉱業の記憶を後世まで保存しようと多くの時間と精力を傾けました。そして、日本の博物館や台湾のレジャー施設を研究し、この歴史的意義を持つ新平溪煤礦博物園區を設立しました。館内には当時の採掘に関する歴史的資料や採掘に使われた工具がそのまま保存されていて、体験型シミュレーション施設もあります。

 新平溪煤礦博物園區には現在32ヶ所の見学スポットがあり、昔の事務庁舎、石炭庫、トロッコ道、福祉施設、トイレや浴場などが再現されています。

選別場跡と手押し車体験

 博物館に入る前に遠くからでも見える巨大な選別場跡。採掘された石炭には多くの石ころやガラクタが混じっているため、コンベアーを通して山の中腹からこの選別場まで運び、大きな石は選別してから水洗いします。比重の違いを利用して石と石炭を分け、きれいな石炭だけを取り出し、台北に送ります。  入り口の隣にある古い手押し車は当時、メンテナンスのために設置されたものですが、重い台車は両側から2人で押さないと動きません。現在は誰でも手押し車体験を楽しむことができ、珍しいだけでなくメンテナンス要員の苦労もうかがい知ることができます。  選別場跡とトロッコの発着場所を結ぶ距離は230mで急傾斜の歩道です。黒い金の歩道と呼ばれた歩道のわきに残された石炭コンベアーが見え、ほんの200mちょっとの距離ですが、その険しい道のりは、歩いてみるとかなり大変です。歩道の先はトロッコ用のプラットフォーム、隣にはチップラーやホッパーなどがあります。昔は山裾の選別機まで高低差があったため、炭鉱は坑夫がトロッコまで運びました。チップラーで台車の上の炭鉱をホッパーに落とし、コンベアーで選別場へ運ばれていきます。

珍しい一つ目小僧の機関車

 坑道の入り口から1.2km離れた月台公園は、石炭を運んだ電気機関車の終点でした。電気機関車で石炭を運ぶ台車をここまで送り、満載された石炭の台車をチップラーでおろします。今は毎日満員の見学客を乗せて往復する一つ目小僧ですが、台湾初の電気化された機関車と言われ、1939年日本から輸入され、台湾の炭鉱で60年間運行しました。新平渓炭鉱の採掘をやめた後、ボロボロだった機関車4台の状態の良い部品を2台の機関車に集め、運行を再開しました。現在では、この2台の機関車が台湾最後の炭鉱電車となってしまいました。この国宝級の機関車を体験するため、国内外の多くの鉄道ファンが遠くから噂を聞き付けてやって来るんですよ。  トロッコ列車に乗って、ガタゴト揺られながら、かつて石炭を運んだ道を進むと、昔のままのアブラギリの木が両側に続き、タイムマシーンに乗っているかのような気分になります。5月には山中のアブラギリが花を咲かせ、そして散って行く姿もまた見ごたえがあります。

寂れた古い坑道

 トロッコ列車に乗ってガタゴトと本館に戻ると、かつては輝きを放った坑道の遺跡です。安全のためずっと封鎖されたままですが、封鎖された所まで数十メートル入ってみることができます。ひんやりとした空気に充満する泥臭さが黄色い電灯に照らされて、歴史の重さを訴えかけてきます。  ここでは、ガイドさんに新平渓鉱山の歴史を聞かせてもらうことができます。

坑道シミュレーション

 坑夫の作業の様子を実感するため、本当の坑道と全く同じ比率で坑道内部の様子が再現されています。再現された坑道は2つあり、それぞれ地下坑道の主線と支線の様子が分かるようになっています。  主線では石炭の形成や分布、利用状況や石炭の採掘が分かり、本当の坑道内部にいるかのようです。支線では当時の坑夫が高さ約50cmの坑道内で石炭を採掘した情景が再現されています。しゃがんで入って行くと、狭い空間がとてもリアル。坑夫の労働環境の厳しさを体感することができます。中に入って体験する前に、ヘルメットを忘れずに。

さまざまな展示物

 博物館内には電気機関車から石炭を運ぶ台車や、坑夫のヘルメットや電池まで、大小さまざまな炭鉱業用の工具などの展示物があり、坑夫の作業用工具も全てそのままの形で保存されています。多くの写真や坑夫の健康診断の資料などの文物も完全に保存されているので、坑夫の暮らしに近付いて多くの知識を吸収することができます。

坑夫変身体験

 このほか、博物館では当時の坑夫の作業着や工具を保管しているので、事前に予約していなくても、スタッフに言えば、坑夫に変身して写真を撮ることができます。上着にズボン、長靴にヘルメット、電池、弁当袋、そして手ぬぐいというフルセットで、見本の通りに着替えると、気分が盛り上がってきます。最後に顔に炭を塗ることをお忘れなく。着替えが終わって写真を撮れば、とても貴重な経験になりますよ。

お店からのメッセージ

 新平溪煤礦博物園區は単なる博物館に留まらず、台湾の炭鉱業に関する歴史的価値の高い器具や文献などがたくさん保存されています。鉄道ファンだけでなく、日本の方なら皆さんで楽しんでもらえること間違いありません。どうか煤礦博物館へ来て、一つ一つ体験してみてください。

記者コメント
新平溪煤礦博物園區

 台湾に20年以上住んでいても、これまで台湾の歴史についてはよく理解していませんでした。今回、煤礦博物館を取材し、台湾が辿ってきた私たちの見直すべき成長の過程を残した景観や文物などを見ることができました。現在、めざましい発展を遂げた台湾経済では炭鉱業を目にすることはなくなりましたが、日本にも似たところがたくさんあるので、煤礦博物館に来れば、台湾人でも日本人でも、貴重な発見にたくさん恵まれることでしょう。(陳先生)

最終更新:2013年12月18日

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