阜杭豆漿店
阜杭豆漿店
(フーファンドウジャンディエン)
 華山市場2階にある阜杭豆漿は常に満席。アクセスの便利さや近くにあるシェラトンホテルの影響もあり、台湾人はもちろんのこと、多くの外国人もこの店を訪れています。
 阜杭豆漿のように、店舗が小さく内装も綺麗とはいえず、気をつけて探さなければ見つからないようなお店にこそ、人々の記憶に残る絶品が隠されているものなのです。
カテゴリ 軽食・粥
住所 台北市忠孝東路一段108號2樓之28
アクセス MRT善導寺5番出口すぐ
電話 02-2392-2175
営業時間 5:30-12:30
定休日 月曜日
標準予算 50元程度

※枠付きの写真は、クリックで拡大画像が別ウインドウに表示されます。

行列のできる老舗

阜杭豆漿の様子

 阜杭豆漿がオープンしたのは1958年。もともとは道端にあった店でしたが、取り壊しや土地の権利問題があり、現在の華山市場の2階に引っ越してきました。華山市場はMRT善導寺駅5番出口を出たところにあるので、すぐに分かりますよ。

阜杭豆漿の様子 注文用のカウンターの上にある看板には、全部の商品の名前と値段が書かれています。カウンターにはイートインとテイクアウトの札があり、どちらかに分かれて列に並びます。朝ごはんは豆漿、という台湾人はとても多いので、毎朝長い行列ができますが、スピーディーにさばいて行くので、待ち時間は長くはありません。

 カウンターのガラスケースの中には阜杭豆漿の看板メニューである薄焼餅、厚焼餅、スイートパイ、塩味パイなどが並んでいて、熱々の出来立てが食べられます。出勤途中にこれらのメニューと豆漿を買って、事務所で食べる人がとても多いのですよ。

(取材:周小姐)

元気いっぱいのオーナー

オーナー 80歳の高齢にも関わらず元気いっぱいのオーナー。取材中の1時間あまり、人の波が一向に途絶えることがなく、とにかく忙しそうです。朝食の店で一番辛いことは、毎朝早起きして準備しなければならないことですが、阜杭豆漿のオーナー一家は毎日午前3時に起床して仕事を始めるそうです。オーナーは額に汗をかきながら忙しく働いていますが、優しい表情をしています。お客さんの満足そうな様子が、オーナーにとって一番の支えになっているのでしょう。

慌ただしい調理場  2009年の華山市場の改装前は、このフロアにはエアコンがありませんでした。お洒落なインテリアもなく、薄汚れた感じです。これだけの人気店なのですから、もっと綺麗な場所に移ったらいいと思うのですが、オーナーは「豆乳や焼餅は稼ぎが少ないから、ファーストフード店のような大型チェーン店とは戦えないのですよ。ここで豆乳屋を長いこと経営してきて、幼い頃から食べ続けてくれているファンも大勢います。馴染みのお客さんに言わせれば、ここの方が新しい店よりずっと慣れているし、暖かく感じるようです」 さらに「稼ぎの少ない商売でも、今こうやって過ごせていることに十分満足しています。今後経営を拡大していくかは、二代目に任せますよ」とのこと。そんな華山市場も2009年におしゃれに改装されました。

豆漿(豆乳)
豆漿(豆乳) ホット20元/アイス22元
 この店の豆乳は、ホットもアイスも口当たりが非常になめらかです。その豆乳の作り方は、まず黄豆を6時間半水に浸しておき、午前3時頃から研磨を始めます。黄豆をすりつぶして豆乳とおからにしてから、大鍋の中に入れ煮込み、最後に濾していきます。オーナーがわざわざ「うちの豆乳は粉を使って溶かしたものではないですよ」と説明してくれましたが、さすがにその滑らかさと味は絶品です。

鹹豆漿(塩味の豆乳)
鹹豆漿(塩味の豆乳) 30元
 カリカリの揚げパン、葱のみじん切り、干しエビ、肉そぼろなどがトッピングされ、黒酢、ラー油、ゴマ油、醤油、塩少々で味付けされた「塩味の豆乳」です。黄豆の香りだけでなく、揚げパンのサクサク感に、葱のみじん切りや醤油がミックスされており、これこそが塩味の豆乳の定番となっています。この店は特徴はラー油で、見た目には辛そうに見えますが、実際には全く辛くなく、味を引き立たせています。塩味の豆乳は口当たりが豆花に似ています。塩を加えているため、液状の豆花がところどころ固まっています。

厚餅夾蛋(卵焼き入り厚焼き餅)
厚餅夾蛋(卵焼き入り厚焼き餅) 燒餅38元/葱蛋10元
 まず、厚焼きと薄焼きの焼餅の違いを説明しましょう。このお店の焼餅は完全手作り。伝統的な貼り窯(胡椒餅を焼くのに使う窯)でカリカリサクサクに焼き上げます。厚餅の材料は小麦粉、葱のみじん切り、油です。手でよく練ってから、適当な大きさに切り分け、生地を一つ一つ窯の内側に貼り付けて焼きます。薄焼き餅は厚みが薄いだけでなく油脂を若干多めにしているので、焼き上がった薄餅はさらにサクサク感が強く、口当たりもとても良くなります。オーナーはこれまでに何種類ものオーブンを試しに使ったことがあるそうですが、現代的なオーブンでは伝統的な懐かしい味が出せないので、手間はかかっても、原点である貼り窯に戻ったそうです。
 この卵焼き入り厚焼き餅は、噛み応えのある厚焼き餅にふわふわの卵焼きを挟み込んだもので、最高の美味しさを堪能できますよ。

薄餅油條(揚げパン入り薄焼き餅)
薄餅油條(揚げパン入り薄焼き餅) 薄餅、油條 各23元
 薄餅に揚げパン(油條)を挟むのは最高の組み合わせで、卵焼き入り厚焼き餅と並ぶ人気メニューです。どんどん売れていくので、作るほうも大変です。ぜひ試してみてくださいね。

甜、鹹酥餅 (スイートパイ)
甜、鹹酥餅 (スイートパイ) スイートパイ、塩味のパイ(23元)
 ゴマたっぷりのパイも阜杭豆漿の看板メニューの一つです。阜杭豆漿ののパイには甘いものと塩味の2種類があり、楕円形のスイートパイには中に麦芽糖の甘い餡が入っています。パイを割ってみると、麦芽糖がとろけ出します。甘い香りが口の中に広がり、幸せな気分に浸れますよ。
 丸形の塩味のパイは、サクサクの層の間に葱のみじん切りが入っています。カリカリの表面にはゴマがたっぷりかかっていて、とてもおいしそう。一口食べると、熱々のパイの中から葱の香りが広がります。サクサクカリカリの生地に新鮮な葱が加わり、最高のハーモニーを奏でます。オススメは両方注文すること。先に塩味のパイを食べて、スイートパイをデザートにするのがベストです。

飯糰(台湾風おにぎり)
飯糰(台湾風おにぎり) 40元
 阜杭豆漿のおにぎりは具だくさん。大きな竹製の桶から蒸したもち米を取り出し、そこに肉そぼろ、揚げパン、切干大根などの具材を順番にのせていき、もう一度たっぷりともち米をかぶせ、力いっぱい握ることで、具沢山でボリュームたっぷりのおにぎりが出来上がります。値段は少々高めですが、食べてみればきっと、値段分の価値があったと思うでしょう。最近のおにぎりは円柱型が多いのですが、この店のおにぎりは昔ながらの楕円形を守り続けています。おにぎりと豆乳をセットにすれば、その美味しさは記憶に残るでしょう。

蛋餅(台湾風クレープ)
蛋餅(台湾風クレープ) 28元
 薄い蛋餅は高温の火にかけてはならず、ゆっくりと美しい黄金色に焼き上げるものです。鍋の中で半透明の生卵とクレープの皮にゆっくりと火を通していきます。卵に完全に火が通ったら、蛋餅を折り曲げて一口サイズに切り分けて、お皿に盛りつけます。ボリュームがあまりないので、食の細い女性客に人気です。もちもちした食感で、そのまま食べても醤油を少したらしても、どちらもとても美味しいですよ。

ミニ情報

記者
記者:周小姐(左端)

 取材当時は、小さな店舗は内装もあまりきれいではないけれど、行列を作る人たちが伝統のある老舗の魅力を物語っています。現代的な設備もなく、またファーストフード店のような広いスペースやエアコンもないけれど、毎日早起きして、一貫した伝統的な手法によって全ての製品を手作りする、オーナーの心意気に感動しました。

 アクセスの便利さや近くにあるシェラトンホテルの影響もあり、台湾人はもちろんのこと、多くの外国人もこの店を訪れています。取材時、ちょうどその名に惹かれてやってきた日本人に出会いました。この店のことは、友達から「とても美味しいので台湾へ行ったら絶対食べてほしい」と聞きつけて、ちょうど台湾に来る機会があったので、特別に早起きして来てみたのだそうです。台湾へやってくる日本の皆さんも、時間が合えばぜひ早起きして伝統的な台湾スタイルの朝食を召し上がってみてください。台湾の昔ながらの味を体験できるだけでなく、オーナーのお客さんへの真心も感じ取ることができますよ。

オーナー
オーナー  徐仁聰 さんからのメッセージ
 50年の歴史を有する阜杭豆漿は、近所のサラリーマンにとって馴染みの場所であり、中には子供の頃から通っている人もいるほどです。伝統的な手作りの味にこだわり、お客さんに香り高い豆乳と中味の詰まった焼餅を提供したいと考えています。また、これらの本場の味を通して、お客さんに最も伝統的でなかなか味わうことの出来ない美味しさを堪能していただきたいと願っています。

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