旅々セレクト
TABITABI Select龍門客棧餃子館(瑞安街店)
客桟風の心温まるお店
1960年代、現在の店の向い側にあった日本の神社内に青島から来た一人の老兵がいました。子供が多く非常に苦しい生活を強いられていた彼は、故郷中国北方の簡単な料理を作り、店も看板もないその地に小さな屋台を作り並べたのです。ただ子供たちを養いたい、どうにか暮らしを立てたいその一念だけでした。
下校時の学生たちは、ここへ立ち寄り腹いっぱい食べていきました。この古い門をくぐる時、そこには常に古い侠客映画"龍門客桟"が上映されていました。そこで客たちは、その店を、遊び心から、"龍門客桟"と呼んだのです。
青年育楽中心の建設により、その小さな麺屋台は現在の場所へと移動し、たくさんの人に「龍門客桟」の名が知られるようになりました。これを機に、オーナーは思い切って木製のテーブルと椅子、そして大きな丸太の梁や柱を使用し、昔の客桟(旅館)の雰囲気を見事に作り出しました。
時間帯によって変わる店内風景
味わい深い木のテーブルと椅子は、この店を語る上で重要なインテリアのひとつです。また、それ以外にも壁に多くの中国書画や、山水画の額が飾られています。これらが一体となり、中国の雰囲気をかもしだしているのです。
夜6時〜8時あたりは、店内は満席!見ず知らずの人との相席もよくあることなのだとか。
そして9時を回ったあたりから、だんだん店の雰囲気が変わってきます。冷たいビールを飲みながら、酒の肴をつまみ、友人たちと心地よい会話を楽しむ・・・。この風景こそ、最もこの店らしい姿のように見えます。
本場の美味しさ
使われている材料や調味料について、オーナーは「特別なものは何も使っていませんよ」と、謙遜して話してくれました。
しかし、客足は途絶えることはありません。中には有名政治家の姿も見られます。こんなに多くの人を引き付けてやまないというのに、食材に対するこだわりがないなんて・・・。きっとオーナーさんには「企業秘密」という名の、人知れぬこだわりがあるに違いありません!
オススメメニュー
この店の惣菜、滷味(中華風煮込み。五香粉や醤油で煮しめて冷ました料理)は、想像をはるかに越えたものばかり。庶民的で、ボリューム満点です。
煮込む途中、毎日1〜2個、調味料の入った袋を入れます。この袋、化学調味料や人工添加物などは一切入っていません。自然の素材、漢方などがメインなので、毎日惣菜の味は変わっていくのですが、お客さんにとっては、そこがまた龍門客桟の魅力の1つなのだとか。
招牌豬肉水餃/豚肉の水餃子(1個7元)
ここの水餃子は、かなりのボリュームがあります。
この餃子の皮は手でしっかり伸ばし、弾力を出しています。中の具には上等な豚肉を使用。何度も叩きつけることで、味が均等になり、肉質が絞まるのだそう。
パクっと一口噛むと、肉汁が溢れ出すと同時に、具の旨味が皮にしみ込んでいきます。もう口の中は、四方八方から美味しさの総攻撃!厚めの皮はシコシコと噛みごたえがあり、中は具だくさんでありながら、油っぽさ、しつこさはまったく感じられません。ぜひ、アツアツを食べてくださいね。
筍子/タケノコの煮込み(80元)
これもお店の人気メニューの1つです。
見た目はまったくタケノコに見えないこの料理。青いきざみネギが散りばめられ、どちらかと言えば、肉のように見えます。
じっくり煮込んでいるにもかかわらず、タケノコの香りと歯ごたえはしっかりと残っています。滷味汁の豊かな香りと、タケノコ本来の甘味が口の中で混ざり合い、何ともいえない美味しさです。これを食べた人はみんなヤミツキになるそうですよ。
蹄膀/豚モモ肉の煮込み(100元)
この豚モモ肉は、口の中でとろけそう!新鮮で柔らかい豚肉の旨味が、口いっぱいに広がります。
スライスされた肉は香り豊かな煮汁をたっぷりと含み、惹かれあうように、次々に肉が口の中へと入っていきます。芳醇な味と香りが、舌先から喉へと通り抜けていくその瞬間こそ、まさにこの世の極楽と言えるでしょう・・・!
香りは口から鼻へとゆっくりと広がり、飲み込まないうちに、また次、次・・・と口へ運んでしまうのです。本当に箸が止まりません!
濃い目の味が好きという人は、しょう油を入れてみると良いかも。
豆皮/湯葉煮(40元)
一口食べると、さっぱりとした湯葉の味が、それからほんのりとした甘みとコクが口いっぱいに広がります。
煮崩れすることなく、湯葉本来の吸収力でたっぷりと煮汁を吸い込み、柔らかい中にもコシがしっかりとあります。たとえるなら、ジューシーな果物をかじったような感じです。
グルメ通の人も大満足間違いなしの一品です。しょう油やお酢をかければ、また一味違った美味しさが楽しめます。
黄瓜/きゅうりの和え物(30元)
ひんやりとした食欲をそそる一品です。シャキっとした歯ざわりで、ほのかな辛味が口に広がります。きゅうりをタレに漬け込むと、新鮮さが失われがちですが、黄瓜はきゅうりの清々しい香りを堪能することができますよ。
辛いものは苦手な記者ですが、これは一度食べだすと止まらなくなってしまいました!その歯ごたえの良さに、あなたもきっと大ハマリすること間違いなし。
ミニ情報
牛肉麺 | 小:120元 大:140元 | 排骨麺 | 小:110元 大:130元 |
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牛肉湯麺 | 小:60元 大:80元 | 牛肉汁乾麺 | 小:60元 大:80元 |
蛋花麺 | 小:50元 大:70元 | 陽春麺 | 小:40元 大:60元 |
湯餃 | 90元 |
お店からのメッセージ
記者コメント
最終更新:2013年12月02日