(シーリングァンディー)

 喧騒と活気にあふれる士林夜市。そこから徒歩でわずか5分の距離に、秘密の花園が息を潜めています。
 1950年に蒋介石夫妻がこの地に居を構えた後、1996年に当時の台北市長が庭園を一般開放するまでの46年間、この庭園は完璧な「秘密の花園」でした。


住所 台北市福林路60號
アクセス MRT士林駅出口2から徒歩約5分
参観時間 8:00-17:00(休祭日は8:00-19:00)
閉園日 なし
電話 02-2881-2512
ウェブサイト http://www.easytravel.com.tw/action/guandi/main.htm
入場料 無料
(取材:渡辺小姐)
※枠付きの写真は、クリックで拡大画像が別ウインドウに表示されます。
秘密の花園

 MRT士林駅から士林夜市と反対方向に進むと、すぐにこんもりとした森が見えてきます。しかし近寄ってみると、そっけないアルミの塀が森を囲み、入り口とおぼしき塀の切れ目に「士林官邸 開放時間」と書かれた看板がぽつんと立っているだけ。ここが官邸?と頭をひねったものの、入り口からは椰子の木に挟まれた一本道が、はるか彼方まで続いています。どうやらここで間違いなさそう・・・。

 そう、ここが士林官邸。台湾の初代総統、蒋介石と夫人の宋美齢が愛した邸宅と庭園です。1950年に蒋介石夫妻がこの地に居を構えた後、1996年に当時の台北市長が庭園を一般開放するまでの46年間、この庭園は完璧な「秘密の花園」でした。警備はとても厳しく「覗いてみようとしたら警官に叱られたよ・・」と、子供時代の思い出を語る人もいるほど。現在でも邸宅は開放されておらず、私たちは外から眺めるのみ、です。

 しかし、邸宅の豪華さもさることながら、有名なのは庭園の美しさ。現在では台北市内随一の花の名所として、人気を集めています。

 椰子の並木道、温室、果樹園、西洋風、中国風と揃ったみごとな庭園、バラ園、蘭の栽培室など、とても大都会台北にあるとは思えないほど。日本時代には政府直轄の園芸試験場だったという歴史を知ると、納得の充実振りです。また園内には日本時代に建てられたと思しき瓦屋根のレトロな建物や、蒋ファミリー専用の教会が現存しており、結婚記念写真の絶好のロケーションとなっています。
中国風庭園

 チャイナ服を着た美女が佇んでいそうな、落ち着いた中国式庭園。台湾には悪い鬼は折れ曲がった橋を渡れないという言い伝えがありますが、小さな池に渡された石橋も、ちゃんとカクカク曲がっているのがご愛嬌。

 あずま屋の柱にも凝った細工が施されており、小さな庭園ながら隅々までの気配りが感じられます。

 かつては蒋介石夫妻や、政府の高官たちが池を眺めながら、国を左右する話をしたのかもしれませんが、今では可憐なハスの花が咲き、おたまじゃくしがのんびりと泳いでいるだけです。
蘭花栽培室

 「栽培室」とはちょっと硬い名前の建物ではありますが、内部はシックな中国風。中国風のランプが吊るされ、花の女王とも呼ばれる蘭にふさわしい雰囲気が漂っています。ずらりと並んだ大輪の蘭は、いずれも優美そのもの。

 南国の濃厚な空気の中で咲き誇る蘭の花は、生命力に満ち溢れ、己の美しさを誇示しているよう。蘭の魅力を、改めて認識させられました。

生態園区

 庭園をゆっくり歩いていると、小学生の集団を発見。巨大カブトムシやカタツムリのオブジェに大はしゃぎです。

 ここ「生態園区」では、温室と池により台湾の湿地帯が再現され、熱帯特有の水棲動物の水槽も展示。子供たちの格好の理科教材となっているようです。

官邸カフェ

 散策に疲れたら、コーヒーや軽食で一息つきませんか?庭園の北側には、セルフサービスのオープンカフェが。パラソルやカフェテーブルが並んだ一角は、南フランスの雰囲気です。

 カフェのイチオシ・・・バラのシロップが入ったカフェオレ「瑰拉堤(メイグイラテ)」などはいかがでしょう?やわらかな甘さに、散策の疲れがふわーっと癒されますよ。

 おや、カフェの向こうから、大勢の人が歩いてきます。どうやらこちら、福州路側が正面入り口のようです。立派な門がある福州路側出口を出て、左側に5分ほど歩くと中山北路の交差点。そこを渡って少し歩くとMRT士林駅です。たっぷりの自然に囲まれリラックスしたところで、これから夜市に突入しませんか?



広域マップ

最終更新:2007年12月18日 copyright(C)